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40代からの健康習慣。 「あれ」「それ」が増えたら、今から脳ケアを始めよう。

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特に40代からは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■できるだけ、長く働き続ける準備としての「ブレインケア」

40代になると20代、30代とは異なるフェーズに入る。仕事ではますます責任は重くなり、任される仕事も増える。ビジネスパーソンとして、まさに脂が乗る時期だ。

一方で、人生の後半戦の「備え」も重要になる。自分の健康面でも気になるのは、記憶ケアだ。20代の頃と比べるとなかなか思い出せなくて、「あれ」「それ」が増えていないだろうか。歌唱グループのメンバーも顔思い浮かぶが、名前がとんとでてこない。これならまだ生活に支障はないが、ビジネス上、データや取引先との商談内容があやふやになると冷や汗をく。

人生100年では、必然的に働く時間が長くなる。どんなに短く見積もっても、75才まではなんらかの形で働くことになるだろう。どうせ働くのであれば、誰でもできる仕事をするのではなく、自分の専門性を通じて社会貢献したい。その結果、感謝されたり対価を頂け続けることができたら最高の人生だ。そのためには、専門性を発揮し続けるため脳のメンテナンス習慣が必要だ。

■記憶ケアのためにできること

記憶ケアには、食事、運動、睡眠が欠かせない。食事では、脳の老化を防ぐ抗酸化成分を含む緑黄色野菜の摂取。運動では脳血流を上げる、有酸素運動。睡眠では、脳に蓄積するβアミロイドという脳の老廃物を洗い流すメンテナンスの時間が必要だ。しかし、これらを毎日、完璧にこなすのは至難の業だろう。

今回は、手軽に始められる記憶ケアとして、サプリメントで何の栄養を選択すればよいのかを紹介する(特定の商品の紹介はしないので悪しからず)。私は外資系企業でサプリメントの商品開発の責任者を12年していたため、エビデンスのある記憶ケアの栄養素は、様々あることを承知している。その上で、初めの一歩としてオススメしたいのは、DHAという栄養成分を含むサプリメントだ。

■DHAは、青魚からとれるのでは?

そこで、DHAと聞くと、サプリメントも有名だが、青魚を食べればいいのでは?という素朴な疑問が出てくる。では、あなたは、一週間に何回、青魚を食べているだろうか。一般的には、十分なDHAを食事から取り入れようと思うと、週に3回は食べる必要がある。しかし、なかなか現実的ではないだろう。私も実感があるが、家では、調理の手間、骨を避けて食べる手間、その後の片付けの手間などを想像し、どうしても頻度が減ってしまう。

事実、2001年をピークに魚の食事の消費量は、減りはじめ、10年後の2011年には、肉と魚が逆転してしまった。今までの食生活を見直しつつも、サプリメントを活用していくのは、今後の健康投資として一つの手段になるだろう。

■DHAをおすすめする理由

何よりも、DHAは記憶ケアに関する研究が豊富だ。

米国公衆衛生局によるフラミンガム研究では、血中 DHA 濃度が最高五分位群のアルツハイマー型認知症発症リスクは低濃度群よりも 47%低くなり最高群に属する被験者はアルツハイマー病を発症するまでの期間が 4.7 年延びると予測されている。

この研究に基づき米国の研究者らは、「アルツハイマー病などの認知症の全患者に対する 2021 年の推定医療費支払いが米国で 3550 億ドルに達することを考えると、アルツハイマー型認知症の発症を遅延させる費用対効果の高い戦略は、公衆衛生上最も大きな関心事である」と述べている。

更に、日本の研究では、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター老化疫学研究部の研究グループは、日本人の集団において、DHAの摂取量が多いと前頭皮質の体積変化量の減少が小さく、認知機能低下のリスクも低いことを報告している。この結果は、魚介類の摂取が少ない国からの報告と同じ傾向を示している。これらの結果より、DHA摂取は、加齢に伴う局所脳体積の減少を抑制し、高齢者の脳の健康の維持につながる可能性が考えられる。

■で、頭良くなるの?

では、DHAのサプリメントを飲んだから、いきなりアタマが良くなるだろうか?いきなり円周率を、すべて覚えられるようになろうのだろうか。残念ながら、そんなことはあり得ない。

しかし、DHAを摂取しておくことが認知症リスクを遠ざけているとしたら、これは、脳の老化を押さえられていると言うことができる。運動しなければ、体力が落ちる。肌のメンテナンスをしなければ、老けて見える。何もしなければ、「加齢」という抗いがたい下りのエスカレーターでひたすら劣化するしかない。これは脳も同じだ。まずは、脳を劣化から守るDHAの栄養を取り入れることからはじめよう。

■「健康投資」のリターンは、「現役でいられる時間」

私は、新卒から10年間介護サービスに従事してきた。そこで何千人という高齢者に出会い、20代ながら人生の老年期のあり方を否が応でも考えさせられた。

人間は年齢を重ねるごとに各器官が老いていく。その過程で様々な病気や不自由が生まれるが、その中でも現役生活(仕事でもプライベートでも)を遠ざけるものが認知症だと感じた。そして、認知症に対しては、進行を遅らせる薬は合っても、治す薬はない。予防しか打ち手がないのだ。

その打ち手の一つとして、まずは、気軽にはじめられるDHAのサプリメントをおすすめする。ドラッグストアに行けば、DHAのサプリメントはほぼ100%の確率で販売されているはずだ。その中でも、機能性表示食品で、記憶ケアのエビデンスがあるものを選ぶとよいだろう。

そして、更に、攻めの健康マネジメントを実践しようという気になったら、食事、睡眠、運動、ストレスケアと言った生活習慣を一つ一つ整えていくとよいだろう。

人は、老いる。

脳も、老いる。

これを、分かっていて放置しない。

生涯現役で居続けるための一歩を、ブレインケアからはじめよう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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【出典】https://research-er.jp/articles/view/113733


■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩
https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数
■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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