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テスラ、販売トップのSUV「モデルY」を刷新 - 特別仕様のLAUNCHシリーズは2025年4月納車

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
モデルチェンジしたTesla Model Y(tesla.com より)

世界各国で最も販売台数の多い車種の地位を獲得してきたTeslaのコンパクトSUV「Model Y」が、初のモデルチェンジを行いました。

Tesla: Model Y

モデルチェンジ記念のLAUNCHシリーズは、RWD(後輪駆動)とデュアルモーターAWD(4輪駆動)に20インチホイールを組み合わせた仕様。残念ながら日本では引き続き、7人乗りシートのオプションは選択できません。

ちなみに今のところ、自分は2026年3月に、通常のロングレンジ(デュアルモーターAWD)のModel Yへ、現在のModel 3(2022年モデル)から乗り換えようと思っています。

Cybertruck風のライトデザイン、チリは狭くなるのか

tesla.com より
tesla.com より

エクステリアはCybertruckの雰囲気で造形やライトのデザインを刷新。ポジショニングライトは、ボディの鼻先を縁取るラインLEDに変更され、メインのヘッドライトは低い位置に移動しているようです。

tesla.comより
tesla.comより

またテールライトは、ボディパネル内に拡散反射技術を用いた、ぼんやりと浮かび上がる不気味さを漂わせています。

サイドから見た雰囲気は、最上位のSUV、Model Xっぽさが増した印象。

再設計されたボディキャスティングによって、70点の部品をわずか1点に減らしたとのことで、Model 3などで激しかったボディのつなぎめの隙間が狭くなっているとしています。

ちなみにModel Yは、以前レビューしたモデルチェンジ前のPerformanceモデルですら、その乗り味はマイルドで、SUVなのに段差を乗り越えても揺さぶりが残らず、Model 3(初代)と比べても極めて静粛性の高いクルマ、という印象でした。

さらに静かになっているというのは、期待です。

インテリアは先行していたNew Model 3に準じるデザイン

tesla.comより
tesla.comより

インテリアは先駆けてモデルチェンジしたModel 3に準じる仕様となっています。近づくだけでリアゲートを開ける仕掛けや、パワーリクライニングの後部座席は、トランクを拡張する時も自動で動かせて、ユーティリティ性が増しています。

Model 3からModel Yに乗り換える同期としては、やはり後部座席の快適性の向上だと思います。

2列目独立シートのModel Xには及びませんが、足元も天井もModel 3より広く、シートもしっとりふかふかで、リクライニングに対応できるなら、だいぶ変わるのではないか、と思います。また後部座席にも8インチのモニターがついて、エンターテインメント、空調、シートリクライニング操作などに対応。

大幅な体験変化は、後部座席にあるのではないか、と思います。

テクノロジー、安全性能は、特に進化なく

今回の刷新は、現行のTeslaユーザーからすれば、エクステリア、インテリアぐらい。安全性能や自動運転、テクノロジー面での変化は小幅、というよりはほとんどない、というのが感想です。

というのも、New Model Yのウェブサイトで謳われているテクノロジー面での機能は、3年前に乗り始めたModel 3のソフトウェアアップデートで、すでに実装済みのものばかりだからです。

1点違うのは、UWB(ウルトラワイドバンド)に対応した点。

測距が正確になり、十分近づいた時にドアやトランクを開ける、という機能の実装に寄与しています。また、AppleがCarKeyとしてiPhone・Apple Watchなどで利用可能とする次世代の自動車のデジタルキー(Car Connectivity Consortium(CCC)の標準規格「Digital Key Release 2.0」)からの利用なども考えられるかも知れません。

ただし、Bluetoothのみの車両でも、近づけば開錠される仕組みは実現しており、トランクの自動オープン以外、ユーザー側の体験としても、大きな違いはないかも知れません。

試乗したら買ってた、が強まるかどうか

Teslaって試乗したら終わり、家に帰ってからポチってる、という現象がよく聞かれます。かくゆう自分も、2022年1月に川崎で試乗して、その日の夜にスマホからオーダーしてました。

高校時代は自動車部、乗り始めは2Lターボ・マニュアルAWDのツードアクーペ車に乗り始めて、アメリカではSUV、シルキーシックスを乗り継ぎ、日本に帰ってきてクリーンディーゼルのでかいSUVに乗ってみて、と少なからずクルマ好きの部類に入る私。

Teslaとの出会いは、どちらかというと環境性能云々ではなく、この価格で何倍もするパフォーマンスが手に入っちゃうの?!という驚きと、従来のガソリン車に対する諦めみたいな感覚が、試乗して一気に押し寄せてきたのを覚えています。

新しいModel Yには、果たして、そういう感覚を超える何かが、再び押し寄せてくるのかどうか。ぜひ実車に乗って見たいと思いました。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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