日米フィリピン3国の連携強化に中国記者が抱いた懸念【初の日米比三ヵ国首脳会談へ】
日米首脳会談のため、日本の総理大臣として9年ぶりとなる国賓待遇でアメリカを訪れている岸田総理大臣。
10日(現地時間、以下同)の日米首脳会談と公式晩餐会に続き、11日にはフィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領も交えた、初の日米フィリピン三ヵ国首脳会談に臨み、インド太平洋地域の防衛と安全保障の連携強化について協議する見通し。
これを前に9日、ワシントンD.C.で外国人記者を対象にしたブリーフィングがあり、大統領特別補佐官で東アジアとオセアニア担当シニアディレクターのミラ・ラップ-フーパー(Dr. Mira Rapp-Hooper)氏が記者の質問に応じた。
フーパー氏によると、11日の三ヵ国首脳会談では、エネルギー安全保障、経済と海洋協力、テクノロジーとサイバーセキュリティに関する提携、主要インフラ分野の共同投資を強化するための新たな取り組みについての協議が予定されている。
南シナ海でフィリピンに圧力を強める中国への対応について問われたフーパー氏は、「フィリピンは南シナ海でPRC(中国)からの圧力が増大していると認識しているため、この三者会談は非常に重要な時期に開催される」と述べた。
この三者会談については日本のメディアでも「覇権的な動きを強める中国をけん制する構え」と報道されている。
三者会談を前にしたフーパー氏の会見では、この三ヵ国の連携強化について懸念する中国メディアからも質問が上がった。
質問
「この三国間協力に関して、中国外務省は排他的な(意図のある)まとまりに反対していると述べました。この首脳会談について、あなたは中国にどのように捉えてほしいでしょうか? 米国とフィリピンの軍事協力の緊密化が南シナ海での緊張をエスカレートさせる可能性があることについて懸念はありますでしょうか?」(鳳凰衛視、香港のフェニックステレビ)
この質問についてフーパー氏はこのように答えた。
「 私は中国の捉え方や中国政府が首脳会談をどのように見るかについて多くを語るつもりはありません。ただ言えることは、バイデン政権を通じて我々が言い続けていることを明確にするということです。米国・インド太平洋戦略や我々の同盟・パートナーシップは、誰かや何かに敵対するということではありません。それは我々のインド太平洋戦略において非常に明確です。自由で開かれたインド太平洋のために一致団結し、そのビジョンに共感するすべての人を歓迎するということです」
フーパー氏は米国、日本、フィリピンの三ヵ国が合致したビジョンに沿って連携強化した姿を世界は目撃することになるだろうと述べた。
(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止