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台風24号、首都圏でも経験したことのないような暴風に厳重警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風24号と台風25号の雲の様子(ウェザーマップ)

速度を上げ、一気に西日本から北日本へ

台風24号の予報円(ウェザーマップ)
台風24号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

大型で非常に強い台風24号は九州のすぐ南の海上を北東方向へ進んでいます。

きのうからけさにかけて、台風が近くを通過した沖縄や奄美地方では、那覇で53.1メートル、与論島で56.6メートル、奄美空港で52.5メートルなど、各地で最大瞬間風速50メートル以上の猛烈な風を観測しています。

今後もこの猛烈な風を伴いながら西日本から北日本を駆け抜ける見込みで、広い範囲で記録的な暴風が心配されます。

台風が予想通りに進むと、きょうの夕方から夜にかけて、非常に強い勢力で四国あるいは紀伊半島に上陸し、午後9時頃には大阪付近を通過する見込みです。

その後、あすの未明(0時から3時)には東日本を時速80キロ以上で通過し、あすの明け方に岩手県付近を通り、朝には三陸沖へ抜ける見込みです。

速度がかなり速いため、東日本や東北地方を通過している段階でも強い勢力のままで、最大瞬間風速50メートル以上を維持したまま駆け抜ける予想です。

特に台風の進行方向の右側にあたる紀伊半島から東北南部にかけての太平洋側では、これまでに経験したことがないような暴風に見舞われる恐れがあり、厳重な警戒、最大級の警戒が必要です。

暴風の他、大雨や高波、高潮などにも厳重な警戒が必要です。

首都圏でも経験したことがないような暴風の恐れ

あす午前2時の風の予想(ウェザーマップ)
あす午前2時の風の予想(ウェザーマップ)

予報円にもある通り、台風24号は今夜遅くからあす月曜日の未明にかけて、首都圏に最も接近する見込みです。

山沿いを中心とした大雨にも警戒が必要ですが、今回は特に猛烈に吹き荒れる強い南風に厳重警戒、最大級の警戒が必要だと思われます。

風が強まる理由は3つ挙げられます。

1つ目は台風が強い勢力で通過すること、2つ目は首都圏が台風で最も風の強まる進行方向の右側(危険半円)に入ること、そして3つ目は時速85キロという非常に速い速度で通過すること、これら3つの条件が重なり合うため、今夜遅くからあす未明にかけて、今までに経験したことがないような猛烈な風に見舞われる恐れがあるのです。

特に南風が海上から直に吹き込む東京湾の周辺では危険な風が計算されており、陸地での最大瞬間風速は東京地方で50メートル神奈川県千葉県で45メートルとなっており、その他でも35メートル程度の予想です。

過去観測された最も強い最大瞬間風速は、東京都心46.7メートル、八王子43.1メートル、江戸川臨海41.0メートル、羽田39.6メートル、横浜48.7メートル、辻堂39.8メートル、千葉48.6メートル、成田36.0メートルなどとなっており、今回はこれに匹敵するか、あるいはこれを上回るような所も出てくる恐れがあります。

気象庁から風の強さと吹き方に関して発表されています。

最大瞬間風速が45~50メートルになると、多くの樹木が倒れ、看板が落下し、トラックが横転するなど、外での行動が極めて危険な状態となります。今夜以降は不要不急の外出は控え、停電などにも備えるようにした方がよさそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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