【京都市上京区】菅原道真生誕の地 「烏丸の天神さん」を訪ねる
「天満宮」とは、菅原道真をまつる神社です。学問の神として広く信仰され、「天満社」「天満神社」とも呼ばれます。
大阪の天満宮や、京都の北野天満宮、福岡の太宰府天満宮など、全国各地にありますが、京都ではなんといっても北野天満宮が有名。京都には他にも20以上もの天満宮があり、今回は京都市上京区の菅原院天満宮神社をご紹介します。
菅原院天満宮の成り立ち
菅原院天満宮がある場所は、菅原氏の邸宅である「菅原院」があったところです。菅原道真の生誕地とされており、道真とその父祖がまつられています。
一般的には「烏丸の天神さん」と呼ばれているそうです(自分は実際にそう呼ぶ人に会ったことはありませんが…)。
藤原時平によって太宰府に左遷された道真は、京都に戻ることなく亡くなります。
その後、京都では異変が相次ぎ、道真のたたりだと恐れられるようになりました。
菅原院の跡地には、道真を弔うために歓喜寺が建立され、境内には道真とその父祖をまつる小祠が建てられます。
歓喜寺は後に六条河原院の跡地に移転し、あらたに建てられた天満宮が後の錦天満宮となりました。その後、歓喜寺は善導寺と合併し、六条道場・歓喜光寺として知られるようになります。
菅原院の跡地には歓喜寺の殿舎が残っており、そこに新たに社殿を建てて道真や父の是善、祖父の清公をまつるようになりました。これが菅原院天満宮の始まりです。
探検家であり「北海道」の名付け親である松浦武四郎は、晩年に菅原院天満宮を崇敬しました。菅原院天満宮には武四郎が奉納した銅鏡や石碑が残っています。
菅原院天満宮は、烏丸通をはさんで京都御苑の下立売御門の向かいにあります。また、菅原院天満宮は京都御苑内にある厳島神社も兼帯しています。
菅公初湯井(かんこううぶゆのい)
菅原道真の産湯の井と伝えられる石台形花崗岩製の井戸は、2010年(平成22年)に採掘され、清らかな水が出るようになりました。この水は給水所から飲むことができ、参拝客に喜ばれています。
菅原道真とその父祖をまつる歴史ある神社であり、菅公聖蹟二十五拝の第1番である菅原院天満宮神社。菅原道真産湯の井や御遺愛の灯籠など、道真にまつわる多くの歴史的な遺物が残されています。なんだかご利益がありそうですよね。
受験生の方は、北野天満宮だけでなく、こちらも訪れてみてはいかがでしょうか。
菅原院天満宮神社
住所/京都市上京区堀松町406
電話番号/075-211-4769
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