キャンプで注目を集めたDeNAの左右の強打者ルーキー
1軍よりも一足早くファームは全日程を終了した。春季キャンプで話題になったDeNAの左右の強打者は、どんなシーズンを送っていたのだろうか。
ド派手なデビューを飾った茨城の中田翔こと細川
高校通算63本塁打を誇る右の大砲でついたあだ名は”茨城の中田翔”。飛距離が魅力の細川は3日に昇格すると即スタメン起用され、初回、1死1、3塁からバックスクリーン直撃の3点本塁打を放つ。プロ初打席で初本塁打、ド派手なデビューを飾った。
2月のキャンプでもその飛距離は話題となっていた。高卒ルーキーの細川は2軍スタートでプロ生活のスタートを切ったが、早々に首脳陣の目に留まりキャンプ序盤から紅白戦や対外試合に出場。将来の主軸候補として大きな期待をかけられていた。シーズンではファームでチーム最多の114試合に出場。2桁本塁打を放ち大器の片鱗を示した。打率は.201で182三振を喫するなど粗さも残るが、それはフルスイングを貫いた証拠。OPSも.600と一発の魅力を確実性の乏しさが上回った形だが、何と言ってもまだ19歳。本当の勝負は数年先だ。
ドラフト9位からの逆襲を誓う佐野
キャンプで細川が右の大砲として注目を集める中、左の強打者・佐野も逆方向への一発を放つなどアピールに成功していた。明治大学時代から打撃には定評があったが、ポジションは外国人選手がライバルとなる一塁手ということでドラフトでの指名順位は9位。出場機会を増やすためキャンプでは外野守備にも挑戦した。慣れないポジションで悪戦苦闘しながらもバットで結果を残し1軍に帯同。17試合に出場したオープン戦でも47打数15安打で打率.319、本塁打も2本放ってOPS.871という好成績を収め開幕1軍入りを果たした。
しかしプロの壁は厚く、左の代打として期待されたが4月24日に登録抹消。6月6日に再昇格を果たすが、6日後に再び抹消となりそれ以後、1軍からお呼びがかかることはなかった。ファームが主戦場となった1年目の成績は打率.255、11本塁打、OPS.790。昨秋のドラフトで野手の目玉の1人だった巨人・吉川が打率.257、4本塁打、OPS.698だから遜色ないどころか上をいっている。しかもアベレージタイプの吉川が29四球74三振だったのに対し佐野は29四球で46三振、打席数には開きがあるが割合から見ても2軍クラスの投手ならすでに対応出来るレベルにある。
見た目に分かりやすい豪快さという点では細川に分があるが、大卒だけあって現時点での実力なら佐野の方に一日の長がある。ちなみにハマの大砲・筒香のプロ1年目のファーム成績は102試合に出場し、打率.289、26本塁打、88打点、OPS.835。本塁打と打点の2冠に輝き、ルーキーイヤーから格の違いを見せつけていた。来季はこの偉大な先輩に少しでも近づきたい。