アップルがBMW元幹部を採用 EV開発に本腰か、アマゾンが「週2日在宅」認める オフィス再開計画再考
筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで
[1]アップルがBMWの元幹部を採用、EV開発に本腰か
米アップルが独BMWの電気自動車(EV)部門の元幹部、ウルリッヒ・クランツ氏を採用したと、ロイターや米CNBCが6月10日に報じた。アップルは報道を認めているという。
クランツ氏はBMWのEV開発部門を率いていた人物。コンパクトEV「i3」やプラグインハイブリッド・スポーツカー「i8」などを開発したという。同氏は自動運転開発の米スタートアップ企業、カヌーの共同創業者。最近までカヌーのCEO(最高経営責任者)を務めていた。
アップルでは2014年に「タイタン・プロジェクト」と呼ばれる自動運転開発の取り組みを始めたとされる。18年にはアップルの元ハードウエアエンジニアで、米EV大手テスラにエンジニアリング部門上級副社長として移籍していたダグ・フィールド氏を呼び戻した。報道によると、フィールド氏はタイタン・プロジェクトの責任者を務めている。今後クランツ氏の直属の上司になるという。
ロイターは20年12月、アップルが自動運転技術の開発を進めており、24年までの乗用車生産を目指していると報じていた。
[2]アマゾンがオフィス再開計画見直し、「週2日在宅」認める
米アマゾン・ドット・コムは6月10日、新たなオフィス再開計画を社員に伝えた。従来は「オフィスを中心とする企業文化への回帰」を掲げ、パンデミック前と同じ「週5日出社」を原則とする方針を示していたが、これを見直し原則「週3日出社」とした。
オフィス以外での勤務が可能な社員に週2日までリモート勤務を認める。出社日はそれぞれの管理職が決めるという。
また、週3日以上のリモート勤務を希望する社員は申請し、担当副社長の承認が得られれば、出社日を週2日以内にできる。その場合、社員はリモート勤務者とみなされ、オフィスでは専用の机ではなく共用ワークスペースを利用する。
これとは別に、毎年最長4週間のリモート勤務が可能。米国内にいることが条件。期間中に出社を命じられることはないという。
[3]英競争当局がアマゾンへの本格調査を計画、マーケットプレイスが焦点に
英競争当局が米アマゾン・ドット・コムに対する正式な調査を計画していると、英フィナンシャル・タイムズが6月10日に報じた。英競争・市場庁(CMA)が数カ月にわたりアマゾンの商慣行を分析している。マーケットプレイスに参加する出品者のデータを同社がどのように収集しているかが焦点になるという。
また、「ショッピングカートボックス(Buy Box)」と呼ばれる、「カートに入れる」ボタンの権利付与基準についても調べるもよう。
アマゾンでは、マーケットプレイスの商品詳細ページは1商品に付き1ページのみ設けられる。同じ商品の出品者が複数いる場合、ページ内のリンク「新品xx点」をクリックすると、すべての出品者の商品が表示でき、価格などを比較できる。利用者は気に入った出品者の横にあるカートボタンを押すことで購入手続きを進められる。
しかし、多くの利用者は、複数の出品者を表示できるこの機能に気付かず、商品詳細ページ右にある「カートに入れる」を押して購入する。つまり、出品者はこの一番大きなボタンを獲得できるか否かで売り上げが大きく変わる。
CMAは、アマゾンがどのような基準でこの権利を与えているかを調べるもよう。アマゾンの自社商品に偏っていないか、自社の物流サービスを利用する出品者を優遇していないかを詳しく調査する可能性があるという。