台風1号の発生が5月以降にずれ込むと?
5月1日でもまだ低圧部の予想
日本のはるか南の海上に低圧部が発生しています。
この低圧部とはいわば”台風のたまごのたまご”の状態で、昨日からあまり発達する兆候は見られず、気象庁の最新の予想でも、あさって5月1日(金)午前9時の段階で、まだ低圧部のままとなっています。
ですから仮にこの低圧部が台風(1号)へ発達するとしても、すでに季節は5月に入っていることになるでしょう。
台風1号の遅い発生記録(5月以降)
台風の統計がある1951年から2019年までの69年間で、その年初めて発生する台風1号の発生日は平均すると3月頃となります。
ですから4月以降になれば少しづつ遅くなり、5月以降になれば、かなり遅い部類に入ることとなります。
そこで台風1号の遅い発生記録を調べると上図のようになります。
過去69年間で5月以降にずれ込んだ年は12回ありますので、平均すれば5~6年に1回程度の出現率となります。
これ位ならまだそれほど珍しい記録というわけではありませんが、もし5月の後半以降へずれ込んでいけば、10年に1回程度となりますので、かなり遅い記録へ移り変わっていくことになるでしょう。
台風1号の発生が遅れても全く油断ならず
ところで、少々強引ではありますが、台風1号の発生が5月以降にずれ込んだ年12回と4月までに発生した57回の年間の発生数と上陸数を調べてみました。
すると4月までに発生した年の年間の発生数は約26.7個で、このうち約3.2個が上陸し、5月以降に発生した年の年間発生数は約24.1個で、このうち約2.2個が上陸していました。
ですから台風1号の発生時期が遅くなれば、年間の発生数は2~3個少なくなり、上陸個数も1個程度少なくなるということは言えそうなのですが、これはあくまでも平均したもので、安心出来るわけではありません。
上図にある通り、台風1号の発生が7月までずれ込んだ1998年には4個が上陸し、同じく7月までずれ込んだ2016年には年間上陸数で2番目に多い6個が上陸し、特に8月には立て続けに台風が襲来した北海道や迷走台風10号の直撃を受けた東北地方で大きな災害が発生しました。
今後台風1号がいつ発生し、いつ台風シーズンが始まるのかはまだ分かりませんが、台風1号の発生が遅れても全く油断は出来ません。
参考:デジタル台風