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【神戸市中央区】神戸異人館 風見鶏の館で見つけた誰かに話したくなるマニアックポイント

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神戸異人館にある風見鶏の館のような築100年以上経つ古い洋館では現在では珍しい家の造りや部品が使われていることも珍しくありません。そこで風見鶏の館で見つけたマニアックだけど知ればきっと誰かに話したくなるポイントをひとつご紹介しましょう。

マイナスネジはアンティーク家具などにしかみられない貴重な部品

風見鶏の館のドアの蝶番に使われているマイナスネジ。
風見鶏の館のドアの蝶番に使われているマイナスネジ。

風見鶏の館の館長から「このドアのネジに興味を持つ人たまにいらっしゃるんですよ」と教えてもらいました。どういうことかと言うと現在使われるネジは特別な場合を除いてプラスネジが使われていて、マイナスネジを使ったものはとてもレアなもという背景があるからだそう。

調べてみるとネジは最初マイナスネジだけが作られていてその歴史は15世紀からと古いもの。それに対してプラスネジが開発されたのは1935年と歴史はまだ浅いものです。つまりマイナスネジを使われている家具などはそれだけで製造年代が古いアンティーク製品の証になるということなのです。

窓の鍵にもマイナスネジが使われている。
窓の鍵にもマイナスネジが使われている。

このマイナスネジのことを聞いて、風見鶏の館では他にもマイナスネジが使われた部品はないかと気にしながら見て回るといろいろとありました。そのひとつが窓の鍵の部品を留めるネジがマイナスネジだったもの。この鍵自体も古い時代のものということは見た目からもわかりますが、マイナスネジがそれを裏付けていることがわかります。

ドアノブを留めるネジもマイナスネジ。
ドアノブを留めるネジもマイナスネジ。

アールヌーヴォー調のデザインを施したドアノブを留めているネジもマイナスネジです。こうやって館内を見て回るとマイナスネジが使われた部品は少なくないことにきがつきます。これは風見鶏の館が当時のままで現存しているという裏付けにもなるわけです。

はっきり読めるドアノブの刻印。
はっきり読めるドアノブの刻印。

ちなみにこのドアノブのメーカーの刻印はいまでもはっきりと読むことができます。風見鶏の館を建てたドイツ人のトーマス氏はこの家にはドイツの伝統文化を取り入れた造りにしたいというこだわりが強かったらしく、このドアノブにもドイツ製である「BERLIN」の刻印やメーカー名が見えるのも興味深い点です。風見鶏の館はこのようにポイントを絞って見学をしても楽しく過ごせます。

なお風見鶏の館は2023年10月1日から耐震改修工事に入り、しばらくの期間は休館になる予定です。訪問する際は開館期間をご確認の上どうぞ。

風見鶏の館
神戸市中央区北野町3-13-3
開館時間 9:00~18:00
大人500円
2館券(風見鶏の館・萌黄の館)650円
シティーループ1日乗車券持参の方450円
高校生以下無料
JR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」北へ徒歩15分
公式サイト

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神戸大好きのBest Kobeは「大人の知的好奇心を満たす神戸の記事」をお届けするWebメディアです。 執筆者は著書も多数ある経験歴長いフォトライターが担当。歴史的文化遺産の保存を推進する兵庫県ヘリテージマネージャーの肩書も。神戸港開港以来の深い歴史や多彩な文化からなるトピックをハードルを下げツッコミどころもたまには入れてわかりやすくお伝えるように心掛けています。 さらにサブカルチャーやイベント、季節の出来事など神戸の街を歩いて見つけたニュースもお届けします。Best Kobeを通じて魅力的な神戸を楽しんでもらえたら嬉しいです。

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