2017年12月 沖縄の冬は寒くなる?
今年の沖縄はいつもの年と違う。夏が長く秋がない、この冬はどうなのでしょうか。
【夏・秋の振り返り】
2017年の夏を振り返ってみますと、那覇の最高気温30℃以上の真夏日の連続日数が6月20日から9月13日までの「85日」となり、統計のある1890年から過去最長となりました。9月13日は台風18号の接近が影響し、那覇の最高気温は29.6℃と30℃を下回る気温となりました。
真夏日のそれまでの最長記録は77日連続。2001年の6月16日~8月31日、2013年の6月17日~9月1日。途切れたときはどちらも台風の影響を受けていました。南から上がってくる台風が沖縄に接近すると雨の前に北風が入りやすく気温が下がりやすくなります。
【ミーニシがなくなった?】
沖縄には特有の季節風があります。東京や近畿地方の木枯らし1号のようなものです。
二十四節気の「寒露(かんろ)」(10月8日頃)の1週間前後に吹く「ミーニシ」と」呼ばれる北寄りの季節風です。
沖縄方言:ミー(新しい)、ニシ(北)
〈ミーニシの吹く目安〉
■二十四節気の『寒露(かんろ)』の一週間前後
■大陸の高気圧が張り出す
■北~北東風 最大風速8メートル以上
■最高気温25℃以下、最低気温20℃前後
沖縄気象台に伺ったところ、平成26年でミーニシの記録は終了になったそうです。気象台独自の観測だったためだそうです。最近は問い合わせも少なくなってきているとの事です。沖縄独自だからこそミーニシの日の記録を残して頂きたいと思います。
記録のある平成17年からのミーニシの観測日です。
平成26年10月7日
平成25年10月16日
平成24年10月1日
平成23年10月16日
平成22年10月5日
平成21年10月10日
平成20年10月11日
平成19年10月15日
平成18年10月7日
平成17年10月15日
ミーニシが吹く際は、サシバの渡りが見られます。
サシバとは鷹の種類で、秋になると越冬のため本州から沖縄を目指し、その後さらに東南アジア方面へ渡っていきます。
沖縄ではサシバの渡りが冬を告げると言われています。
〈今年のサシバの渡り〉
石垣島 10月10日(平年より1日早い)
宮古島 10月13日(平年より5日遅い)
東にある宮古島が石垣よりも遅いのはなぜだかよくわかりませんが。
今年は気圧配置は条件をクリアしたものの、気温がなかなか下がらず、ミーニシが吹いたとなかなかいえません。
今年も暑さが続いている沖縄、今年の冬は?
冬の入り口が見えてきました。11月30日に気象庁から「低温に関する異常天候早期警戒情報」が発表されました。沖縄地方は12月5日頃からの約1週間、かなりの低温となる見込みです。
12月1日(金)沖縄気象台発表の那覇の週間予報を見ると、12月5日(火)以降の最高気温は20℃前後の予想です。沖縄では最高気温20℃を下回ると真冬並みとなります。
今年は夏が長く、秋を素通りしてしまったかのような天候となっていましたが、冬の訪れはやや早くなりそうです。