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「目標は王座統一。まずは高橋竜平を倒す」 IBF世界Sバンタム級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)

杉浦大介スポーツライター
Photo By Matchroom Boxing

1月18日 ニューヨーク マディソン・スクウェア・ガーデン・シアター

IBF世界スーパーバンタム級タイトル戦

王者

TJ・ドヘニー(アイルランド/32歳/20戦全勝(14KO))

挑戦者

高橋竜平(横浜光/28歳/16勝(6KO)3敗1分)

相手が出てきたら倒しに行く

ーー初防衛戦を明日に控え、調子はいかがですか?

TD : 調子は良いですよ。計量を無事に終え、これでゲームプランに集中できます。マディソン・スクウェア・ガーデン(MSG)での初防衛戦ということで私もエキサイトしています。

ーー王座を奪取した前戦に続き、今回も日本人ファイターとの対戦になりました。高橋選手の印象は?

TD : 彼について詳しく知っているわけではありません。しかし、日本人選手はみんな基本がしっかりしていて、戦士のスピリットを持っている。私は前回のタイトル戦で日本に行き、多くの素晴らしい選手を目にしました。そんなボクサーたちとの試合は決して簡単なものにはなりません。高橋はこれがタイトル初挑戦ですし、最高の状態で臨んでくるでしょう。ただ、私から王冠を奪うためには、何か特別なものが必要とだけは言っておきたいです。

ーー日本には好印象を持ったようですね。 

TD : 日本では最高の日々が過ごせました。帝拳ジムのミスター本田(明彦会長)は敬意を持って私に接してくれました。日本の人たちは本当に丁寧で親切。滞在中、不平不満のようなものは何一つとしてありませんでした。私は日本が大好きになったので、また試合ができるのを楽しみにしています。

ーー普段のあなたは前に出て積極的に仕掛けていく印象でしたが、 岩佐亮佑(セレス)選手との試合ではアウトボクシングをみせて一部のファンを驚かせました。高橋戦でのファイトプランは?

TD : 多くの選手が私のパワーを恐れます。リング上でそれを感じると、パンチの交換を躊躇う対戦相手が多い。良いパンチを決めた後は打ち合ってくれなくなるので、そこからはアウトボクシングすることになるでしょう。ただ、相手が出てきたら私は倒しにいきますよ。

礼儀正しいドヘニーだが、計量時には高橋に詰め寄るシーンも。 撮影・杉浦大介
礼儀正しいドヘニーだが、計量時には高橋に詰め寄るシーンも。 撮影・杉浦大介

ーーマッチルーム・スポーツと契約し、DAZNで生配信される初めての試合になります。良いファイトをみせなければいけないという重圧は感じていますか?

TD : 大々的に放送されるのは承知していますが、必要以上のプレッシャーを背負いこんでいるわけではありません。自分の能力を信じ、ファンが望むものを供給する。頭にあるのはそれだけです。

対立王者が見守る前で

ーーシアターとはいえMSGでの試合になりますが、特別な思いはありますか?

TD : 夢が叶うときが来ました。世界王者になり、こんなステージに自分が立つ日をずっと頭に思い描いて戦ってきました。そして今、私は夢の舞台に立つんです。

ーー夢の1つを叶え、ボクサーとしての今後の目標は? 

TD : 統一王者になることです。私の最大目標は世界チャンピオンになることでしたが、それを成し遂げたらさらに大きな目標を目指さなければいけません。全団体統一王者になれたら、その後は複数階級制覇を狙うかもしれません。常に上を目指していくつもりです。

ーー王座統一に向けて、対立王者の中で戦ってみたい選手は?

TD : エディ・ハーン・プロモーターとはWBA王者ダニー・ローマン(アメリカ)との統一戦の話をしています。ローマンは明日、ニューヨークに試合を観に来ると聞いています。彼が統一戦を望み、私も望んでいるのであれば、実現するでしょう。ただ、まず最初に私は高橋を倒さなければいけません。

ーーWBC暫定王者になった亀田和毅(協栄)選手もいずれ対戦相手の候補に入ってくるでしょうか? 

TD : 亀田ともいつか戦う日が来るのではないでしょうか。(王座を奪取した)東京で彼は試合後にリングに入ってきました。ちょっと失礼だと感じ、その行動は気に入りませんでした。ただ、彼はWBCのタイトルを持ち、私はIBF王者。彼が望むのであれば、私は日本で彼と対戦しても構いません。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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