婚活親世代はYouTuberや不安定な職業に反対?
■元AKB48の峯岸さんが、人気YouTuber東海オンエアのてつやさんと結婚
8月16日、元AKB48の峯岸みなみさんが、人気グループYouTuber東海オンエアのてつやさんとご結婚を発表されました。若く将来有望なお二人のご結婚、本当におめでとうございます。
てつやさんは、結婚発表文で「“高校1年生の頃テレビ越しに一目惚れした方”(中略)と、なんと結婚いたしました。夢物語のようなご報告ですが、決して妄想ではございません」とつづり、約10年来のファンであったことも明かしています。
男性側が女性を好きで、憧れや尊重したい存在と考えてくれるのは、女性にとって居心地のいい夫婦関係を築きやすい間柄と言えます。一般的に婚活女性は、高い理想を掲げて自分が背伸びをし、自分と比べて相当高条件の人から選んでもらおうと考えがちです。ですが、婚活のマッチングは、分相応の相手に着地するものです。今の自分をそのまま受け入れてくれる男性の中から条件の良い方を選ぶ方が、女性自身が楽に自然体な結婚生活を送れることと思います。
また、峯岸さんは若くから、AKB48という努力や成長を発信するアイドルの中で切磋琢磨してきた方ですので、10年の歴史を見守ってくれたお相手とも言えます。一方、てつやさんは、YouTuberというと「不安定な職業ではないか」と考えがちですが、実は2013年から動画投稿を開始し 2017年から大手事務所UUUMに所属。元の愛知県を拠点として活動するなど、約10年間一線で活躍してきた人気クリエイターグループのリーダーとのこと。20代の若さながら安定感があり、将来性を兼ね備えた方であることがうかがええます。
今回は、てつやさんのご職業から着想を得て、婚活男性の職業について、親世代の捉え方や、娘世代のフォローアップの方法を実例を交えてお伝えします。
■親世代は理解を超えた業種や職業を敬遠しがち
婚活現場の親たちに限らず、親世代というのは、自分の理解を超えた業種や職種、職業をいったんは敬遠しがちなもの。もし親の反対があっても、実子のほうから対話をして言葉を尽くしてカバーしたいものです。日頃コミュニケーションを取れていない人は特に、親からすれば心配な子供に、さらに心配の燃料が加わったように見えてしまいます。
成人して親元を離れて自立することは良いことなのですが、独身時代が長く、自分の仕事や暮らしに忙しくしていると、結婚報告を機に、やっと親と向き合うことになる人もいます。これまで、親と気が合わず、すでに距離がある人も含めて、何年も会っていない・話していない状態で、素性がぱっと想像出来ないような相手を紹介すると、理解できないから心配……という親心から反対され、親子関係に亀裂が入ることはあり得ます。
では、どうやって説明をすればいいのでしょうか? 親世代から変わったものは主に3つです。まず、産業構造が変わりました。特に、平成の時代は情報革命によって、製造業や建築業から、医療福祉、情報通信、教育学習支援業などの知識産業の就業者割合が拡大しています。それにより働き方が変わり、非正規雇用の割合が増え続けています。また、ランサーズ株式会社が2021年11月に発表した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」では、2021年10月時点のフリーランス人口は、調査を開始した2015年と比較すると、フリーランス人口が約640万人増加、経済規模が約9.2兆円増加していると言います。また、年功序列・終身雇用の時代が終わり、正社員だから条件がいいとも言い切れなくなってきました。こういった親の時代からの社会の変化を、子供世代がきちんと説明できるようになっておいて損はありません。
■娘が反対する親を説得した事例
ある35歳の事例があります。一流企業にお勤めでしたが、3回の転職経験があり、さらに今後のスキルアップを目指してスタートアップの会社に転職する予定がありました。マッチングした30歳の女性は、公務員・役所勤め。彼女は彼の将来性も含めて尊敬していたので理解していましたが、両親は揃って公務員だったこともあり、「なぜ結婚するのに転職を……?」とはじめは転職をネガティブに捉えていらっしゃいました。そこで彼女が、彼に変わってキャリアプランや、民間で切磋琢磨していく働き方をきちんと説明して事なきを得たケースがありました。
結婚相談所は、男性の場合、経営者や資産家など経済力がある方以外は、非正規や無職・学生というケースはほとんどありません。ですが、ある婚活男性は一流企業で年収800万円でしたが、MBA (経営学修士)を日本で取得するために大学院へ進みたいと考えていて、学生に戻ろうとしていました。同時に婚活もして、生きる道を理解してくれる人と出会いたいということでしたが マッチングしたのは、母娘ともに看護師の女性で、お母様は「院の2年間は、収入ゼロ?」と心配されていました。しかし、こちらもお相手の女性が「自分は彼を信じているから大丈夫。いざとなったら支えられる」と説得してご結婚へ進まれました。彼はMBA取得後にコンサル業で独立開業され、現在は年収3000万円に飛躍され、幸せな結婚生活をしていらっしゃいます。
一方、成功例もありますが、2~3年で廃業する経営者は少なくありませんし、個人事業主の働き方はピンキリです。極端なことを言えば、社員なし、オフィスなし、ボーナスなし、安定なし、休みなし……という例もありますから、結婚相手がいざとなったら自分が支えるという考えで仕事を選択したり、ワンオペ育児を覚悟したりと、相当な心構えが必要な面もあります。
繰り返しになりますが令和のこれからは、安定と言われていたものが崩壊し、価値観を再構築していかざるを得ない時代です。結婚相手に対しても、正社員ならいい、大企業ならいい、安定した職業ならいい、という観点だけではなく、本人のスキルや将来性、時代を生き抜く力や柔軟性、それを認め合える夫婦関係を築ける相手かどうかを見極めていただきたいと思います。
最後に申し上げたいのは、もし親御さんに反対されても、本当に自分が信じられる人であればあきらめずに結婚の意志を貫いていただきたいということです。せっかくなら祝福されたいと説得し続けるという気持ちもわかります。でも難しい場合、反対を押し切って結婚しても、多くは子が幸せなら……と関係を改善されていかれます。または、孫の成長を3年5年と伝えることで親子も向き合って関係を修復し、新しい絆を作っていくこともあるのです。