【京都市西京区】1株の発見から1000株へ「準絶滅危惧種」フジバカマの原種が見ごろを迎えています!
京都盆地西縁の小塩(おしお)山麓に広がる大原野は、勝持寺や大原野神社のほか、小塩山中腹には金蔵寺、三鈷寺、善峰寺、十輪寺などの古刹も数多くあって、竹林と広大な田畑が広がっています。そんな大原野南春日町の棚田休耕田を利用したフジバカマ園で「環境省準絶滅危惧種」にも指定されたフジバカマの原種が見ごろを迎えています。
ようやく暑さも凌げるようになってきた2023年9月27日の早朝に現地に向かっていると、農業用の水路には所々にキバナコスモスが群生していました。フジバカマ園では、すでにカメラを手にたくさんの人が訪れていました。リュックを背負って街中から訪れた人たちもいます。
地元大原野小学校の生徒さんたちが作った案山子(かかし)に守られて、品の良い薄紫色の花と、葉や茎から広がるハーブのような爽やかな香りを放つ1000株のフジバカマの原種が咲き誇っていました。オミナエシの黄色い花や紫の萩の花も見ることができます。
1998年に大原野の灰方明治池の近郊で発見されたたった1株のフジバカマの原種。園芸用に品種改良されたものは出回っていますが、原種は非常に珍しく「準絶滅危惧種」に指定されています。地域活性化のため、地元の農家や住民でつくる「なんやかんや大原野」を中心に、地域の人たちがこのフジバカマの原種を丁寧に育て、少しずつここまで成長させてきました。
メンバーの一人は、「地元住民が力をあわせて接ぎ木で増やし、花畑にしてきました。今年は酷暑だったのでいつもより開花が遅く、ダメかと思ったんですが、少し遅れて見事に咲いてくれました。これからさらに蕾が開いて良くなりますよ」と話していました。フジバカマのオリジナルTシャツやフジバカマ原種のハーブのような香りが楽しめるにおい袋なども販売されています。
本物のフジバカマの香りが、さまざまな蝶たちを惹きつけ、気候が良い日にはフジバカマを求めて、日本から南西諸島・台湾へ渡る珍しい渡り蝶の「アサギマダラ」が舞っているのだそうです。この光景はなかなか出会えない貴重なものだといいます。他にも蜂や昆虫類が香りに誘われて寄って来るのだとか。
開園は10月8日までだそうです。ぜひ貴重な光景を見に来てください!
「フジバカマ園」(外部リンク)京都市西京区大原野小塩町 075-332-6444