グレタさんの母が著書で「娘は空気中の二酸化炭素を肉眼で見ることができる」と書いていたとまとめサイト『Share News Japan』が取り上げ、グレタさんに対して批判が集まる事態が起きています。
しかし、この「娘は二酸化炭素が肉眼で見える」という表現は著書のなかでの比喩を切り取ったものであり、デマです。
大人たちを「裸の王様」に例えたもの
実際どういった表現なのか、ドイツの新聞社『Frankfurter Allgemeine Zeitung』が原文を掲載しているので紹介します。
筆者はドイツ語が読めないためGoogle翻訳+辞書のため完全な翻訳ではないでしょうが、最後の「私たちはみんな裸の王様」でだいたいの人はわかると思います。
これはデンマークの童話『裸の王様』に出てくる「バカには見えない服誰も指摘しない王様の裸※1」を、現在の「温室効果ガス」とかけているわけです。
同じデマで海外は2019年5月に話題
「なぜ、こんな話が?」と思われる人もいるでしょうが、じつはこのデマは海外からの輸入です。
さきほど取り上げたドイツの新聞社『Frankfurter Allgemeine Zeitung』が、原文から切り取った部分を画像にして4月29日にツイートしたことをきっかけに、ドイツのインターネットを中心にグレタさんに対して批判が集まる事態となりました。
日本のまとめサイト『Share News Japan』はアフリカのニュースサイト『Afrinik』が5月2日に書いた記事を元ネタとしていますが、元ネタの記事内でも母親とその本の出版社が「比喩表現だ」と批判に対して答えていることを確認できます。
『Share News Japan』はPV目的で狙って記事を切り取ったか、もしくは最後まで記事を読まなかったと思われます。
グレタさん本人も「CO2が見える」説を否定
なお、この一連のデマについてグレタさん本人は、「CO2が見える」説を「いまもっとも面白い陰謀論のひとつ」だと否定する発信を『Facebook』で5月4日に行っています。
グレタさんの訴えについて賛否両論あると思いますが、デマには惑わされないよう気をつけてください。
※1:読者の方に「バカには見えない服」よりも「王様の裸が丸見えなことを指摘したこと」の方があってるのではないかと言われ、そのとおりだと思ったため追記・修正しました。