全体比で67.4%…テレビを使ったインターネットの利用実情
2011年7月にテレビのデジタル化(地デジ化)が行われたことに伴い、テレビ受信機の世界も大きな変化の時代を迎えている。インターネット接続機能の実装がその流れの一つ。どこまで使われているのだろうか。その実情を総務省が2021年6月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に確認する。
次に示すのは各属性における、過去1年間にテレビでインターネットを利用したことがある世帯の割合。回答票選択肢には単に「テレビ」とのみあるが、インターネット接続機能を持つテレビでのインターネット利用を意味する。現状では多数のテレビがインターネットに接続できるタイプとなっており、実質的に「家庭用のテレビはインターネットへの接続ができるもの」として認識されているとの判断なのだろう。
全体では67.4%とあるので、全世帯のうち2/3強がテレビを使ってインターネットを利用していることになる。
まず世帯主の年齢階層別だが、意外にも50代の値が一番高い。もっとも、その50代を除けばすべての属性で60%台との結果となっており、恐らくはテレビそのものの利用率が単純に反映されているものと考えられる。つまり今やテレビはインターネットが接続され利用するのがほぼ当たり前であり、テレビを利用している状況下でインターネット利用の是非を問う必要性はあまりないということだ。
世帯年収別では高世帯年収の方が高い値を示している。多少は世帯主の年齢との連動性もあるのだろう。
世帯構成別を見ると、単身の若年世帯が低めとの構図が見えてくる。これはそのままテレビそのものの利用率と同じ形と見てよいだろう。また高齢者の存在は値に影響を与えていないようだ。
テレビによるインターネットへのアクセス環境を整備し、利用ハードルを下げることで、インターネットの日常生活への普及もより一層進むかもしれない。もっともテレビが置かれている場所はおおよそ家族皆が集まるような場所なことから、プライベートな使い方は難しい。テレビによるインターネットの利用スタイルは、通常のスマートフォンやパソコン経由のような個人利用の使い方とは、少々異なる傾向を示すことになるのだろう。
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※通信利用動向調査
2020年分は2020年9月に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対して、郵送あるいはオンラインによる調査票の配布および回収の形式によって行われている。有効回答数はそれぞれ1万7345世帯(4万4035人)、2223企業。各種値には国勢調査や、全国企業の産業や規模の分布に従ったウェイトバックが行われている。
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