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タピオカミルクティーも台湾ではプラ容器が御法度に

宮崎紀秀ジャーナリスト
今では紙容器のドリンクも多い(2024年7月30日台北 筆者撮影)

 日本でもすっかりお馴染みとなった台湾発のタピオカミルクティーやフルーツティー。暑い台湾で清涼感いっぱいのドリンクは、旅行者のみならず地元の人にも大人気で、チェーン店やコンビニで手軽に買えるのも魅力。ただ、9月からはこれらに使われてきたプラスチックの使い捨て容器は全面的に禁止になる。

マイボトル持参がお得

 台湾の環境部によれば、9月から台湾全土でファストフード店、ドリンクチェーン、コンビニなどで使われてきたドリンク用の使い捨てプラスチック容器が禁止される。これにより使い捨てプラ容器の使用は毎年7億9千個減少する見込みという。紙容器やマイボトルに代替される。

 同部では一昨年7月から使い捨てプラ容器を減らす政策を進めてきた。具体的には、ドリンクの販売店に対しマイボトルを持参する客に少なくとも5元(約24円)の値引きをしたり、リサイクル用のレンタル容器を用意したりするよう求めてきた。

 その結果、ファストフード店やコンビニなど主要15業者の統計によれば、去年、マイボトルを持参する人の割合は2.8倍に増え、リサイクル容器の貸し出しは19万8千個に達したという。

使い捨て容器はなるべく使わない

 同部では消費者に、なるべくマイボトルを使うよう心がけ、マイボトルを忘れた場合でもリサイクル用のレンタル容器を選択するよう呼びかけており、ゴミ削減への理解と協力を求めている。

 今日の台湾では、ドリンク店にマイボトルを持参する人の姿は決して珍しくない。プラ容器から紙容器への代替もすでに大分進んでおり、消費者からすれば実質的な不便を感じるわけでもなさそうだ。

 台北に住むマイボトル派の40代女性は「台湾ではテイクアウトが日常生活の一部になっているが、プラスチック容器は加熱や油で有害物質が出ると言われていて、ガラスやステンレスの容器を持参する人が増えてきた。環境のためだけではなく自分の健康のためにも、なるべく使い捨て容器は使わないという意識を高めるべき」と話している。

ジャーナリスト

日本テレビ入社後、報道局社会部、調査報道班を経て中国総局長。毒入り冷凍餃子事件、北京五輪などを取材。2010年フリーになり、その後も中国社会の問題や共産党体制の歪みなどをルポ。中国での取材歴は10年以上、映像作品をNNN系列「真相報道バンキシャ!」他で発表。寄稿は「東洋経済オンライン」「月刊Hanada」他。2023年より台湾をベースに。著書に「習近平vs.中国人」(新潮新書)他。調査報道NPO「インファクト」編集委員。

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