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交流戦にソフトバンク・千賀が登板。実戦即侍ジャパン追加召集へ【九州アジアリーグ】

阿佐智ベースボールジャーナリスト
ソフトバンクのエース、千賀と相まみえたB-リングス(タマホームスタジアム筑後)

 九州アジアリーグ(KAL)は、今週に入り8日ぶりに公式試合が行われた。

 6月29、30日の両日は、大分B-リングスが、福岡ソフトバンクホークスのファーム本拠地、筑後に出向き、三軍との交流戦を戦った。先々週の公式戦では、火の国サラマンダーズ相手に連勝し、勢いに乗るB-リングスだったが、「格上」のNPB球団のファーム相手には苦戦し、初戦は2対12、第2戦は4対8と力の差を見せつけられた。

ベンチ前で円陣を組むB-リングスナイン
ベンチ前で円陣を組むB-リングスナイン

 「三軍」とは言え、とくに29日の試合では故障明けのエース・千賀滉大が先発登板。5回1/3を4安打6奪三振2四球無失点で飾った。左足首靱帯損傷の故障明けということもあり6回途中、99球を投げたところで降板となったが、NPBを目指すB-リングスの選手にとっては、まだ本調子とは言えないだろうが、一流投手の球を体感できたことは貴重な経験になったに違いない。

 

 千賀は、ふくらはぎの故障でキャンプはリハビリからスタート、シーズンのしょっぱなから出遅れるかたちとなり、開幕には間に合わず、4月6日にようやく一軍公式戦初登板を果たしたものの、この際に今度は左足首を捻挫し戦線を離脱していた。千賀はチームの柱としてはもちろん、東京オリンピックの代表チーム、侍ジャパンのエースとしても期待されていたのだが、当初、代表入りは絶望視されていた。実際、先月16日に発表された24人の内定選手の中には千賀の名はなかった。

 しかし、内定者発表後、中川皓太投手(巨人)の肋骨骨折が判明、怪我から順調に回復し、6月17日の火の国サラマンダーズとの練習試合(非公式試合)で実戦登板復帰を果たしていた千賀に白羽の矢が立った。29日の試合はいわば「最終テスト」。侍ジャパンの建山義紀投手コーチが見守る「御前試合」で、合格を勝ち取った。

 千賀はこれまで、2016年のオランダ、メキシコとのテストマッチで初めて代表入り、2017年の前回WBC、2019年のプレミア12などの国際大会に加え、その間のテストマッチにも参加している「侍ジャパン常連」。稲葉監督は、現在の調子より代表チームでの国際大会の経験を重視する方向性を見せていることから、補充メンバーとしてまさに適任といったところだったのだろう。

沖縄遠征のスケジュールが発表

 KAL当局から8月に予定されている沖縄の独立球団・琉球ブルーオーシャンズとの交流戦の詳細が発表された。8月のKAL公式試合は琉球との交流戦がメインとなる。

 琉球とはすでに4月に両チーム合わせて11試合の交流戦を行っており、KAL勢は3勝7敗1分けと苦戦している。琉球は独立球団中最多となる7人の元NPB選手を擁し、どのリーグにも属さないものの、戦力的には最強レベルにあると言っていい。

 8月に予定されている交流試合は全12試合。前回は琉球主催の宮崎でのゲームを含め、すべて九州本土での開催だったが、今回は8月5日から始まる前半戦を琉球が、サラマンダーズの本拠・熊本、B-リングスの本拠・大分を転戦し、その後沖縄での琉球のホームゲームが始まるというかたちになっている。現在のところ、12日からの対サラマンダーズ3連戦の開催球場は調整中で15日からのB-リングス3連戦は沖縄本島を転戦するという発表内容だが、サラマンダーズ戦も沖縄開催になることは間違いなく、KALにとっては初の九州本土外への遠征となる。

 琉球にとっては、13日で12試合と非常にハードなスケジュールとなっているが、KAL側としては、今秋の「独立リーグ日本一」のタイトルを獲るためにも、前回のリベンジを是非とも果たさねばならないシリーズとなる。

 灼熱の沖縄での暑い試合が今から楽しみである。

(写真は全て大分球団提供)

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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