ノロノロ複雑? 強い台風5号 5つの注意点
最新の台風進路図http://www.jma.go.jp/jp/typh/
海の上は風のぶつかりと積乱雲の発生が重なり台風の発生ラッシュ。7月21日(金)から23日(日)のたった3日間で、5号、6号、7号、8号と4個の台風が発生。今後は、強い台風5号の動きに注意が必要です。台風5号は、21日(金)南鳥島の近海で発生しましたが、西へ東へ迷走…今後は西へ進み、日本に近づくおそれがあります。
台風5号は今年これまで発生した中で一番発達し、強い台風の上に、台風を流す上空の風が弱いために、動きが複雑でゆっくり、長寿台風となり、影響が8月上旬まで長引く可能性があります。
台風5号には主に5つの注意点があります。
<台風5号注意点その1 今年発生した台風の中で一番発達>
これまで発生した台風は、大陸のすぐ近くで発生したり、海の水がまだ暖まりきれてない時期に発生したりと、台風のエネルギー補給が盛んな暖かい海の上を進む時間が短かったため、あまり発達しませんでした。ところが、台風5号は、違います。海水温が高い南鳥島近海で発生し、強い台風にまで発達中、このあとも海水温が高い海上(発達または強さを維持できる27度以上の海上)を進む予想のため、さらに発達しそうです。
<台風5号注意点その2 高気圧のダブルブロックで動きが遅く影響が長引くおそれ>
台風5号の北にある高気圧が強く、台風は北へ北へは進めない状況。このため、一旦西へ進んだものの、西にも高気圧があって進み切れず、結局ぐるっと回ってUターン。高気圧の壁にダブルブロックされているようなものです。今後は再び日本の南海上を西へ進みますが、西には高気圧の壁が…また、夏の特徴でもありますが、台風を流す上空の風が弱いので、今後も動きはゆっくり。つまり影響が来週、8月上旬まで長引く可能性もありそうです。台風の寿命は、平均で5.3日ですが、今回の台風5号は、長寿台風になりそうです。
<台風5号注意点その3 今後も複雑な動き 週間予報も変わる可能性あり>
気象庁の台風の進路図を見ると、今週末にかけて本州の南海上を西へゆっくり進む予想です。これは時間と位置にズレはあるもののアメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センターの予報も同じ傾向です。
ただ、そのあと、来週の動きは、海外のモデルや気象庁の週間アンサンブル予報モデルもかなりのバラツキがあって、どうなるか今のところわからない状況です。なぜわからないか? 南海上での台風の進路は、高気圧の勢力で決まりますが、台風が発生すると、その高気圧の予想が難しくなるためです。これは、台風の気流が高気圧を強める役目もしていて、お互いの影響が予想を難しくさせているようです。あとは、台風をスピードアップさせる上空の偏西風がいつ日本に来るのかもハッキリしません。台風5号は来週にかけて、複雑な動きをする可能性があるので、週間予報で、晴れマークの所も、予報が大きく変わる可能性があります。
<台風5号注意点その4 梅雨前線とセットで来週にかけて局地的に大雨のおそれ>
23日から25日にかけて、梅雨前線の影響で東北や北陸で大雨となり、関東も戻り梅雨のような形ですが、この梅雨前線、世代交代して停滞場所は変わるものの、今週末にかけて日本付近には存在しそうです。また梅雨前線はもともと湿った空気を持っていますが、台風から更に湿った空気の補給を受けて、前線付近や前線の南側の地域では、局地的に大雨のおそれがあります。東北の梅雨明けはまだ先になりそうですし、梅雨明けした関東から九州も今週末にかけて大気の状態が不安定で、雷雲が局地的に発生しやすいので、川や山のレジャーは、急な増水や天気の急変に注意です。
<台風5号注意点その5 今週は土用波、一発大波注意>
台風が千キロ以上離れていても、もう太平洋側にはうねりが入ってきています。この時期の台風のうねりは、昔から土用波と言って恐れられてきました。台風からのうねりは、周期が長いので一見穏やかに見える時もありますが、海岸近くでは高波となり、引く力が強いのも特徴。また、二時間に一回位は一発大波といって、通常の2倍以上の波が押し寄せることもあります。海のレジャーに注意!特にお子さんからは絶対に目をは離さないようにしてください。
そして、フィリピン付近にある熱帯低気圧も26日中に台風になる予想。こちらの動きも8月上旬にかけて目が離せない状況で、台風の発生ラッシュはしばらく続きそうです。
夏休みで旅行やキャンプの計画を立ててる方もいると思いますが、5号も新たに発生する台風も、コースがまだハッキリわからないため、こまめに台風情報チェックするようにお願いします。場合によっては計画を変更することも頭に入れておいた方が良いかもしれません。
また、今週末にかけて前線と湿った空気の影響で、局地的に雷雨になるおそれがあります。キャンプなど外でのレジャーは、晴れていてもスマホなどで雨雲レーダーや気象情報をチェックし、直ぐに避難できる安全な場所を確保しておきましょう。
26日13時45分追記
フィリピンの東海上の熱帯低気圧が、台風9号になりました。台風9号の動きにも注意が必要です。
参考
米軍合同台風警報センターhttps://metoc.ndbc.noaa.gov/ProductFeeds-portlet/img/jtwc/products/wp0717.gif