馬と丸山桂里奈が激似!?とSNSで話題 パパになったばかりの種牡馬が斬新な姿になった理由
世間では知られぬ種牡馬がいきなりSNSにトレンド入り
先日、一昨年引退して種牡馬になったヤマカツエースがTwitterのトレンドに上がっていた。
ヤマカツエースの競走馬時代の通算成績は30戦7勝、獲得賞金4億4,465万円。2016年、2017年の金鯱賞(GII)、2016年の中山金杯(GIII)など重賞5勝をあげている。GIでは善戦はあったが優勝はなく、種牡馬は2年目。初産駒は今年生まれたばかりの新米パパさんだ。このように、競馬サークル内ならまだしも、まして有馬記念などのGI出走時ならともかく、世間に対していまのヤマカツエースに目新しい話題は思いつかない。
となると…。
このところ、訃報や悲しいニュースの一報をTwitterで知るのも少なくない。まさか…。競走馬時代に何度となく取材させていただいただけに、トレンドに表示された「ヤマカツエース」の文字をクリックするのが怖い。……しかし、これを押さないことには前へは進めない。
恐る恐る右手の人差し指に力をこめると、その先に現れたのは…
……ん?なんだこの前髪は!?
そして、tweetの発信者は、なんとタレントの丸山桂里奈さん。丸山さん自ら「似てるみたい」とヤマカツエースを取り上げて呟いていたのだ。
確かに似ている。このパッツンと切りそろえられた長さといい、ほどよく厚手で明るい茶色の前髪はそっくりである。そして、この丸山さんのtweetに相当数のお気に入りのハートがついていた。
さらに、SNSをたどっていくと丸山さんのInstagramに行きついた。
丸山さん、ヤマカツエースにそこまで親近感を抱いてくれているのか!
トレンドに上がっていた理由が丸山さんのことを確認したら、いい意味でストンと力が抜けた。
種牡馬稼業は決して楽ではない。年初から6月くらいまで、決められた牝馬に種付けをするのが仕事だ。人気のある種牡馬は1日3回も牝馬の"お相手"をしなければならない日もある。出世できるかどうかは、仔馬の出来や成績に大きく左右される。そして、種付けシーズン中に亡くなる種牡馬も珍しくはない。さらに種牡馬を引退したあと、悠々自適な老後を暮らせるとは限らず、中には"アテ馬"といって交配する種牡馬のために牝馬を興奮させるだけの任務につく馬もいる…。ホント、種牡馬は人気があってもなくてもなかなか大変な仕事なのだ。
だからこそ、ヤマカツエースが元気でいてくれて安堵したし、こんな平和な話題でトレンドに上がっていることがとても嬉しく思った。
「ヤマカツエースの仔は牝馬でも骨量があって評判がいい」
ちなみにわたしの知るヤマカツエースの写真も載せておく。競走馬時代は、他馬に比べてたてがみはいつも長い方だった。当時の担当者によれば、これに特に深い意味はなかったそうだ。そして、わたしもその髪についたウッドチップをこの手で掃ったこともあった。
しかし、馬の顔の印象も前髪だけでこうも変わるとは…。人相ならぬ"馬相"も人と同じく、前髪がとても重要だと改めて思った。
しかし、なぜヤマカツエースは前髪パッツンになってしまったのか?繋養先のアロースタッドに聞いた。
「ヤマカツエースは前髪というか頭をなかなか触らせてくれないんです。そこで、手入れをするために思い切って切りました」(アロースタッド松木場長)
実は昨年の秋からヤマカツエースはパッツン前髪になっている。その様子は当時からSNSにも上がっていたが、ここまで話題にはなっていなかった。やはり丸山さんに取り上げていただいた効果は大きい。種牡馬にとって知名度は重要だ。悪い評判でなければ、どんどん話題にのぼったほうがいい。
「ヤマカツエースの仔は牝馬でも骨量があって評判がいいんですよ」(松木場長)
今年生まれた仔馬たちは来年2021年のセリに登場し、2022年には競走馬としてデビューする。ぜひ、ヤマカツエースの子供たちにも丸山さんをはじめ、少しでもたくさんの方々に注目していただき、父としてのヤマカツエースを応援してほしいものだ。