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買う前に確認!失敗しない!加湿器の選び方

せす家電Youtuber/元家電量販店店員

10月に入り、涼しい日も増えてきたと思ったのも束の間、かなり湿度が下がって乾燥する季節になりました。

エアコンを使うくらい本格的に寒くなると、より乾燥してしまいます。そこで役立つのが加湿器ですが、加湿器は種類がたくさんあって困ってしまう。

そこで今回は家電量販店の元店員が加湿器について解説!失敗しない選び方を伝授いたします。

最後には元店員がすすめる加湿器3選を紹介する記事もありますので、ぜひ最後までご確認ください!

加湿器とは

加湿器は水を放出することで、空間を加湿する家電です。タンクに水を入れると、さまざまな方法で加湿してくれますが、加湿方式によって加湿量やお手入れのしやすさなどが変わってきます

加湿器はその加湿方式によっていくつかに分類されます。

加湿器の種類

超音波式

超音波式は水に超音波振動を与えることで、水をミスト化して放出するものです。

もくもく蒸気のようなミストが出て加湿してくれるもので、見た目的にもインテリアに馴染みやすいのが特徴です。

メリット

水を強引にミスト化しているので加湿量が非常に高く、広い空間の加湿に向いています。また電気代も比較的安く本体価格も安いのが特徴です。

デメリット

水を粒子化する際に、水の中に含まれるカルキやミネラルなどの成分もミストにして放出してしまいます。

放出されたものは粉状になり、部屋にまき散らされると空間がかすんで見えたり、家電などの静電気を帯びやすいものに付着したりします。

スチーム式

スチーム式は別名「加熱式」とも呼ばれ、お湯を温めて蒸気を放出するタイプです。価格的には2,000円から10,000円程度です。

メリット

メリットは放出する蒸気が清潔なことです。煮沸とまでは行かないですが、熱した水の蒸気を使うので清潔です。

デメリット

デメリットはいくつかあり、お湯を使うので危険性があるのと電気代が高いというところです。

機種にもよりますがお湯の温度が熱い分、出てくる蒸気も熱いケースが多いです。火傷しないように工夫されている機種もありますが、本体が地震などで倒れた時に危険性があります。

加えて加湿器の中では一番電気代が高く、暖房器具などと使用が多くなる環境で使うとブレーカーが落ちてしまう可能性もあります。

そして清潔性に関してですが、放出する蒸気は清潔でも、内部にカルキやミネラルが溜まりやすくなります

水が切れた際に熱のせいで内部が乾燥しやすく、乾燥すると中に溜まったカルキやミネラルが石化し、落としにくくなってしまいます。

中の汚れやすさは加湿器の中でもダントツです。

気化式

気化式は濡れたフィルターに風を当てて、湿った空気を放出する加湿方式です。

蒸気などは目に見えず、単に送風するだけなので加湿器としてはすこし力不足です。

ただ、それを超えるメリットが複数あります。

メリット

メリットは清潔性と電気代です。

カルキやミネラルの放出もなく、内部のフィルターが汚れを吸着してくれるので清潔性に優れています。

電気代もファンを動かすだけなので、圧倒的に安く済みます。

また、構造的にお手入れがしやすく、フィルターを交換することで長く使える機種や、水タンクにトレイが付いていて、汚れたら捨てられるものもあります!

デメリット

デメリットも多く加湿量の弱さと、設置場所周辺の温度が低くなること、そして本体金額が高いことです。

濡れたフィルターに風を当てるだけなので加湿の力が弱く、エアコンを使用する広い部屋などではすこし物足りない可能性もあります。

また、湿った風による気化熱の交換の影響で、本体外に送風される風は冷たく、設置場所周辺の気温が低下してしまいます。

そして何よりも本体金額が高いです。

多くの機種は2万円から3万円くらいとなっており、他の加湿方式の機種に比べて高額となっています。

ハイブリッド式

ハイブリッド式は文字通り、上記2つの加湿方式を掛け合わせたものです。基本的には

超音波式×スチーム式
気化式×スチーム式

の組み合わせが一般的です。

簡単な早見表
簡単な早見表

加湿器の選び方

加湿器の加湿方式をさまざま紹介してきましたが、誰もがこれを買うべき!という機種はありません。

用途や目的に応じて購入するのがおすすめです。

加湿能力で選ぶ

加湿能力は加湿器のスペックに「加湿量」として記載されている数値です。加湿量は1時間あたりにどのくらい加湿ができるかが書いていて、大きければ大きいほど加湿能力が高くなります。

適用床面積で選ぶ

適用床面積は加湿量を元に加湿ができる面積の目安を表記しています。もちろん使用する場所の広さに応じて選ぶと思いますが、正直基準にしないほうがいいと思います。

寝室であれば人から水分は放出されますし、エアコンがついていところでは10畳の部屋でも20畳用を使ってもいいレベルです。

あまり参考にしなくてもいいと思います。

加湿方式で選ぶ

加湿方式は先ほど紹介したものです。

メリットデメリットは記載した通りで、どのようなところにこだわるかによって買うべき機種は変わります。

加湿重視ならば超音波式、清潔さならスチーム式など目的に合わせて選びましょう。

迷ってしまう人は逆に、なにが嫌かで選ぶかもおすすめです。

カルキが飛散するのが嫌なので超音波式以外、電気代が高いのでスチーム式以外などと選んだ方がいいかもしれません。

電気代で選ぶ

電気代はスチーム式が高いです。

超音波式と気化式は電気代は比較的安く済みます。

各部屋に設置したり、暖房器具などを使ったりする場合は電気代の安い機種がおすすめです。

安全性で選ぶ

安全性でいうと気化式や超音波式がおすすめです。

加熱式はお湯を使うため、万が一転倒などしてしまうと、お湯がこぼれる可能性もあります。

お子さまが蒸気に触れて火傷する可能性もあるので、安心できるのは気化式や超音波式です。

お手入れのしやすさで選ぶ

お手入れは本体の掃除ですが、比較的楽なのは超音波式です。気化式はフィルターのお手入れをしないとすぐに汚れてしまうので気になる人もいると思います。

気化式の機種はフィルターが汚れる
気化式の機種はフィルターが汚れる

スチーム式は内部にカルキなどが溜まりやすいので、頻繁に掃除をしないと石化しやすいです。

しかし、機種によってはカルキ洗浄剤が使えるのでそういう機種は便利に使えます。

カルキ洗浄剤でお手入れできる機種も
カルキ洗浄剤でお手入れできる機種も

おすすめの加湿器は?

個人的におすすめの加湿器は、上部給水可能な機種です。

加湿器は給水にタンクを使用することが多いですが、本体からタンクを取り外し、給水しにいくのが面倒です。

また、加湿器が一番汚れるのは乾燥する時なので、乾燥している時間を防ぐためにも、常に給水できる方が便利です!

元家電量販店店員が選ぶおすすめの3機種を紹介している記事がありますので、気になる方はチェックしてみてください!

家電Youtuber/元家電量販店店員

元家電量販店店員。白物担当として勤務して理美容、調理、生活家電など広い分野を担当。とにかく家電が好きで、YouTubeにて実際に買った商品やおすすめ商品の紹介や、家電の選び方の解説などもしています。Youtube以外にもWebメディアでの記事執筆やラジオ出演など幅広く活動経験あり。

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