【大山崎町】新年は地元で愛される聖天さんの焚火でおいしさもぎゅっと詰まったやきいもを食べましょう!
今年のご挨拶に2024年12月29日に山崎聖天さんに立ち寄りましたら、ちょうど新年に向けてお寺の鈴紐を交換されていました。年末に鈴緒に奉納してくださった方の名前の書いた鈴紐を新しいものに変えるそうです。新しい年を迎える準備もこちらで進んでいました。
ちょうど椅子があり、焚火をしている方がいるので寒さに負けて近づいてみました。じんわり暖かく癒される火だったので聞いてみると、江戸時代の中期ごろからお寺に参拝される方に暖をとってもらう場所として、お寺内で倒れた木を集めておいて焚火をしているのだそう。
伊集院智さん(写真左)は10年ぐらい前からお寺の同級生の焚火を手伝うようになりました。暖かい熱がもったいないので芋をくべたらどうかと、4年ぐらい前からやきいもを始められたそうです。そういえばエプロンに「やきいも」と書いてありました。お寺の同級生は亡くなったそうですが、焚火という長年の約束を守るために、焚火とやきいもをして参拝客を迎えています。
芋は宮崎の親戚から送ってもらい、おいしい芋にこだわりました。芋を洗うのもお寺の手がかじかむほどの冷たい水で洗い、丁寧にじっくりと30分ほど焼いています。用意していた芋がなくなったら終了ということですが、ねっとり濃厚で甘くておいしい焼き芋でした。
観音寺は、阪急大山崎駅から、西国街道を歩くこと15分程、地元の人たちから通称、山崎聖天(やまざきしょうてん)と呼ばれる古寺です。観音寺は、平安時代の昌泰2年(899)に宇多法皇が御願寺として創建されと伝えられます。
その後、衰退しますが、江戸時代初期に摂津箕面勝尾寺の僧・木食上人以空が、この地にあった聖徳太子の作と伝えられる十一面千手観世音菩薩を本尊とし、中興開山します。それ以後、歓喜天(かんぎてん)を祀り、天皇家や京都、堺などの豪商の帰依を受けて大いに発展します。歓喜天への信仰によって、「山崎の聖天さん」として知られるようになりました。
お店の「やきいもがねーしゃ」は歓喜天のヒンドゥー教の神・ガネーシャからとったそうで、ここにお参りに来られる方が自然と集まり、交流の場として暖をとってくれたらと話されていました。毎月日曜日に焚火とやきいもをしています。
お正月の1月1日から3日までもやっているそうですので、ぜひ寄ってみてくださいね。取材にご協力いただきましてありがとうございました。
「観音寺・山崎聖天」(外部リンク)京都府乙訓郡大山崎町大山崎白味才 075-956-0016