インテル、最下位転落のCLで生き残れるか? 「敗退確率9割」や「優勝」の過去
11月3日、チャンピオンズリーグ(CL)・グループステージ第3節で、インテルはレアル・マドリーに2-3と敗れた。2戦連続ドロースタートに続く黒星で、いまだ勝利がない。
3節を消化して勝ち点2のインテルは、グループBの最下位に転落した。同組は勝ち点5のボルシア・メンヒェングラッドバッハが首位に立ち、同4のシャフタール・ドネツクとマドリーが追う展開だ。
◆可能性は1割強?
決勝トーナメント進出の可能性が消滅したわけではない。残り3試合すべてに勝てば、勝ち点11に至る。昨季、アタランタが開幕3試合で1分け2敗の勝ち点1からグループステージを突破したのは記憶に新しい。アタランタは4節消化時点で勝ち点2からベスト16に駒を進めた。
イタリア『スカイ・スポーツ』によると、3節消化時で勝ち点2だったチームが16強に進んだ例は、2次リーグが廃止された2003-04シーズン以降、17回中2回。2003-04シーズンのセルタと、2009-10シーズンのシュトゥットガルトだ。いずれも、2位に勝ち点2差と現在のインテルと同じだった。
17例中、残りの7チームは3位でグループステージを終え、シーズン後半戦でヨーロッパリーグに回った。8チームは敗退、欧州の舞台から姿を消している。
つまり、現状のインテルが決勝トーナメントに進む確率は、11.7%というわけだ。可能性は消滅していないが、非常に厳しいと言わざるを得ない。
◆希望は最後の栄光
一方で、『スカイ・スポーツ』は別の興味深いデータも消化している。
同じ2003-04シーズン以降、CLグループステージを3試合消化した時点で、インテルがグループ最下位だったのは過去に1度しかない。そしてそれは2009-10シーズン、ジョゼ・モウリーニョの下でイタリア勢初の3冠を成し遂げた栄光のシーズンだ。
当時のチームは開幕戦でバルセロナ、第2節でルビン・カザン、第3節でディナモ・キエフと立て続けに引き分け、3試合を終えて勝ち点3。1ポイント差で並ぶ残り3チームを追う展開だった。
その後、第4節で初白星を挙げると、第5節でバルセロナに敗れたものの、最終節の勝利で勝ち点を9とし、バルサに続くグループ2位でベスト16進出を決めている。
以降、モウリーニョ・インテルは決勝トーナメント1回戦でチェルシー、準々決勝でCSKAモスクワ、準決勝でバルサを撃破。ファイナルでバイエルン・ミュンヘンに勝利し、45年ぶりとなる欧州制覇を果たした。
◆欧州で苦しむ指揮官
もちろん、当時とは状況が異なる。2009-10シーズンのインテルは、セリエAで4連覇中の王者だった。その翌シーズン、クラブ・ワールドカップとコッパ・イタリアを制して以降、インテルはタイトルから遠ざかっている。
さらに、アントニオ・コンテ体制2年目の今季、インテルは苦戦を強いられている。開幕からセリエAとCLの9試合でわずか3勝。これは3冠後のインテルで最少タイの数字だ。
特に今季のインテルは守備の脆さを指摘されており、セリエAで10失点、CLで5失点と、9試合で15失点を記録している。これも3冠後のクラブワースト記録だ。
加えて、コンテはCLをあまり得意としていない。ユヴェントス、チェルシー、インテルで4シーズン挑戦し、決勝トーナメント進出は2シーズンのみ。インテルでの昨季は6戦2勝1分け3敗だった。つまり、インテルでのコンテはCLの9試合で2勝しか挙げていない。
それでも、マドリー戦後、コンテは「道は正しい」と強調した。批判と重圧が強まる中、コンテとインテルは巻き返せるのか。確かなのは、本拠地サン・シーロにマドリーを迎える25日の次節は、インテルにとってサバイバルゲームということだ。