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最新の1ヶ月予報から梅雨入りが見えた?

森朗気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
筆者撮影

梅雨間近、5月最後の1ヶ月予報が発表された。この最新の予報から、今年の梅雨入りがどうなるかを想定してみたい。ポイントは週ごとの平均気温の傾向だ。

筆者作成
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まず、九州南部が梅雨入りする頃の1週目(5月28日〜6月3日)は、東日本と西日本で高温傾向、続いて関東甲信地方までが梅雨入りするタイミングの2週目(6月4日〜6月10日)は、沖縄・奄美地方を除いて平年並み。そして、北陸地方から東北地方までが梅雨となる3〜4週目(6月11日〜6月24日)は全国的に高温傾向となっている。この気温の傾向から、梅雨前線の位置と状況を推定すると、

筆者作成
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1週目(5月28日〜6月3日)は、南海上から暖かく湿った空気が日本列島に流れ込むことによって、気温が高くなることが考えられる。ということは、梅雨前線も北上して、活動も活発になり、各地で雨が多くなるだろう。ここが、東日本と西日本の梅雨入りのタイミングになるかもしれない。

筆者作成
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しかし、2週目(6月4日〜6月10日)になると、気温は平年並みに戻る。ということは、梅雨前線を北上させる南からの気流は弱まり、梅雨前線は再び南海上に退き、活動も弱くなるかもしれない。本来なら、このタイミングは続々と梅雨入りする時期だが、もし1週目に梅雨入りの発表がなければ、2週目は梅雨入りを発表するタイミングはないかもしれない。

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そして3〜4週目(6月11日〜6月24日)になると、一転南からの暖かく湿った空気の流入が再び強まって、梅雨前線は一気に北上、活動も活発になって、梅雨本番ということになりそうだ。

ということで、考えられるシナリオは、

①1週目に平年よりも早く関東甲信まで梅雨入り→2週目はいきなり梅雨の中休み→3週目に東北まで梅雨入り

②1週目は顕著な走り梅雨→2週目は見送り→3週目に平年よりも遅れて梅雨入りしていきなり梅雨本番。

のどちらかではないか。平年よりも早いか遅いか、予報官も判断に迷うことになりそうだ。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1959年生まれ。1995年に気象予報士の資格を取得、株式会社ウェザーマップに入社。TBS テレビ気象キャスターなど。湘南と沖縄(八重山)とブラジル音楽が好き。

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