NY金1日:小幅続落、米雇用統計で利上げまでの距離感を探る
COMEX金12月限 前日比1.50ドル安
始値 1,114.50ドル
高値 1,118.50ドル
安値 1,110.30ドル
終値 1,113.70ドル
明日に9月米雇用統計の発表を控える中、ポジション調整中心の小動きに。
中国が国慶節の連休入りする中、アジアタイムはやや戻り売り優勢の展開となり、欧州タイム入りと前後して本日の安値1,10.30ドルが示現した。ただ、イベント前に大きく売り込むことを警戒する向きも多く、その後は安値是正の動きが優勢に。特に、9月ISM製造業指数が前月の51.1から50.2まで低下して市場予測50.6も下回ると、売りポジションの含み益を確定する動きが強まり、プラス圏に切り返している。為替がドル安に振れたこともポジティブ。もっとも、引けにかけては改めて戻りを売られる展開となり、結果的に前日終値と同水準で引けている。
9月雇用統計の事前予測だが、非農業部門就業者数は前月比+20.1万人(前月は17.23万人)、失業率は5.1%(同5.1%)と比較的強めの数値が想定されている。前日に発表された9月ADP雇用統計で民間雇用者数が前月比+20.0万人になっていたこともあり、それに近い数値が想定されている。他に平均時給や労働参加率といった数値にも注意が必要だが、世界同時株安後も米経済の底固さが確認できれば、早期利上げ観測が更に勢い付く可能性もあり、その際は金相場は1,100ドルの節目を完全に下抜くことが想定される。
本日はリッチモンド連銀のラッカー総裁も、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙において、雇用統計が米当局に米経済の強さを確信させれば、10月利上げも可能との見方を示している。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁も9月米連邦公開市場委員会(FOMC)の(利上げ見送りの)決定は非常に際どいものだったとして、9月FOMCで利上げ着手の可能性も低くはなかったことを示唆している。年内利上げが適切とのコメントに留まっているが、9月FOMCに対する指摘からは、10月利上げも決して不可能ではないことが窺える。
先週以降は米金融当局者から年内利上げを支持する発言が相次いでおり、更に踏み込んで10月利上げの可能性に言及する動きも目立つ。9月FOMCの利上げ見送りでマーケットの一部が年内利上げは不可能との評価に傾く中、利上げに向けての地ならしを進めることが強い印象付けられる。雇用統計の結果次第では10月利上げの可能性を一段と高いレベルで織り込む必要性も高まろう。当然に雇用統計の結果次第では10月利上げは不可能と逆方向の評価に傾く可能性もあるが、ADP雇用統計や新規失業保険申請件数などの数値を見る限り、その可能性は低そうだ。