阪神タイガース 春季キャンプのメンバー発表・前編
ついこの間、鳴尾浜にピッカピカのルーキーたちを迎えたと思ったら、新人合同自主トレももう第4クールに突入。また地元や他の場所で自主トレをしていた選手たちが戻り、グラウンドも賑やかになっています。気づけばキャンプインまで約1週間ですね。その鳴尾浜で、きのう22日は1軍とファームの監督、コーチが出席して合同コーチ会議が行われました。
まず会議後に発表された春季キャンプの詳細です。
【1軍】
◆場所 沖縄・宜野座村野球場
◆日程 2月1日~29日
◆休日 5日、10日、15日、19日、24日
◆練習試合[すべて宜野座で13時開始]
・16日 楽天
・20日 楽天
・25日 日本ハム
・27日 三星 (韓国)
◆参加メンバー 計40人[太字は初]
《投手》19人
榎田、能見、岩貞、藤川、藤浪、岩田、歳内、秋山、福原、高宮、マテオ、高橋、鶴、メッセンジャー、松田、二神、岩崎、島本、ドリス
《捕手》4人
坂本、小宮山、梅野、岡崎
《内野手》10人
鳥谷、北條、上本、ゴメス、西岡、新井良、ヘイグ、今成、陽川、荒木
《外野手》7人
大和、福留、横田、江越、伊藤隼、中谷、緒方
【ファーム】
◆場所 高知・安芸市営球場
◆日程 2月1日~24日
◆休日 5日、10日、15日、19日
◆練習試合[すべて安芸で12時半開始]
・11日 ハンファ (韓国)
・13日 四国銀行
・14日 JR四国
・20日 西武B班
・21日 ハンファ (韓国)
◆参加メンバー 計31人[太字は新人]
《投手》16人
横山、安藤、筒井、小嶋、石崎、竹安、竹安、守屋、山本、金田、青柳、岩本、望月、桑原、伊藤和、田面、トラヴィス
《捕手》4人
鶴岡、清水、小豆畑、原口
《内野手》4人
西田、坂、森越、植田
《外野手》7人
柴田、高山、板山、俊介、ペレス、狩野、一二三
金本監督初年度はトレ強化
「人選とキャンプメニューについて、前(7日の合同スタッフ会議)に大筋を決めていて、きょう最終確認しました」と金本監督。沖縄は昨年より2枠増、3年ぶりに40人台となった点は「1人でも多くと。安芸は少なくなりますが、ファームの理解を得て多めに連れていきます」とのこと。「たくさん見たいのでね。もちろん入れ替えもあると思いますよ。ただ落とす選手がいない時は…辛い。悩むところ」と複雑な心境のようでした。
メニューに関しては「トレーニングをメニューに取り入れることが(昨年までと)違うところ。個別練習をせずにトレーニングする日を1クールに2回設け、徹底的に鍛えることにしました。それほどハードではないけど、追い込んでいこうと思います。今までトレーニングルームってのは“憩いの場”になっていましたが、そこはガラッと変えてね。休憩場所じゃないぞとハッキリさせておきたい」という話で、初日が早速トレーニングデーだとか。覚悟しておきましょう。
また「対外試合は例年より少ないかな。オープン戦も減らしてるかと。その分、紅白戦は増やしていきます。試合でも紅白でもしっかり練習はできるので。最初は第2クールの6日か7日やね」という実戦計画だそうです。その紅白戦の内容で“入れ替え”も?「ちんたらしていたら『ご苦労さん、帰っていいよ。どうぞ、さようなら。もう一回調整してきてくださーい』ですね。また、一日トレーニングして筋肉痛になるようじゃダメだし、厳しくいきます。もちろんベテランには配慮しますよ」
「キャンプは非常に楽しみです!」
ルーキーでは坂本選手が唯一、沖縄へ。「高山は術後の経過もあって、あまり無理させたくないと。でも練習を見てると…振れますねえ!連れていきたくなる(笑)。坂本は特に体の問題もないので」。この日は野手の練習を見て「高山、坂本、板山の3人ともバッティングの形はすごくいい。振る形がいいし、土台も基本もできている。形は(昨年の)秋季キャンプのメンバーに入れても上位にランクしますよ。実戦は別だけどね。一から手掛ける必要はない」と分析しています。
3年目で初の沖縄キャンプとなる横田選手の話もありました。「秋季キャンプは鳴尾浜で、僕は1日しか見ていないから、その成果をこの目で見てみたいというのもあって連れていきます。振る力、スイングのスピード、守備も全部見ますよ」。そして、改めて横田選手の魅力を「将来性やね。選手としての器の大きさ。体つき、足の速さ、肩の強さ、飛ばす力、スイングスピード。糸井や柳田のようになってほしい。顔は負けてるけどね(笑)」と。いやいや、顔も負けていませんよ。
ただし、我慢して使い続けるかとの問いで「ファームで2割いっていないのに我慢して使うとは言えないし、使ってみたいと思わせるかどうかは彼しだい。サポートはするけど、我慢してまでは。そこまでいってくれないとね」という答えでした。溢れる魅力を惜しみなく発揮して、監督の心をガッチリつかんできてください!
最後に、選手への要望を聞かれ「それはクラスによって違う。レギュラーや1軍選手や、1軍経験のない選手もいるので一概に言えませんが、去年とは違うというところを出してくれれば」と言います。金本監督も久しぶりにユニホームを着て迎える2月1日は特別でしょうね。「非常に楽しみです!開幕は怖いですけど(笑)、キャンプは楽しみです」と、明るく元気な締めでした。
掛布監督が語る、横田&高山
掛布ファーム監督には、まず横田選手の件を聞いています。「見てもらえるのであれば、金本監督が決めてくださいと言いました。(沖縄キャンプは)1軍で戦える戦力を整えるところ。その中で横田も絶対いい経験になるでしょう。横田も喜ばなきゃいけないし、初めてだし、そのまま1軍に定着するくらいの気持ちでね。もうオレの顔を見ないように。そのまま居たとしても、また戻って来るにしても、1軍キャンプはすごくいい経験。戻ってこないのが一番だけど」
何か言葉は?「初日からガンガンいけ!と言ってあります。若い選手は最初に目立たないと。僕もそうだったから」。昨年の秋季キャンプは鳴尾浜で掛布監督が指導、今春は沖縄で金本監督の番。『はないちもんめ』みたいですねえ、横田選手。他の選手にはうらやましい限りでしょう。だからこそ結果が求められると思いますが、空回りしてしまったり、それでケガなどしないように。
次に、安芸スタートとなったドラフト1位・高山選手について。この日、初めて“前から投げてもらったボール”を打つところを見た掛布監督は「バランスがいいよね。器用なんじゃないかな。その部分が邪魔する可能性もあるよね、(バットに)当てられるんで。ある程度、長打力がありと思いました。それは嬉しい誤算だった。まあ長打というより中距離なんだろうね。最低でもホームラン20本打つ力は持ってるんじゃない?」との感想です。
「最初、個別の部分は様子をみながらになるけど、全体練習のシートバッティング以外は全部やるという話をしています。トレーナーと相談しながら。彼のような選手は2軍を経験することなく1軍に行くべきだけど、ケガの影響もあるので、じっくり安芸になった。実戦から遠ざかっているのでファームで実戦感覚をつけて、それから。本人も焦らずにやった方がいいので安芸スタートはよかったんじゃないかな」
結果を出せば沖縄に?「当然、金本監督も見たいでしょう」。入れ替えは激しくなるとの話で「その方が刺激もあると思うしね。上の首脳陣がどう判断するかだけど、ちょくちょく連絡をしようと思っています。金本監督と直接。誤解のないようにね」とのことです。
矢野コーチ「元気と声が大事!」
続いて矢野1軍バッテリーコーチ。「沖縄に呼んでいないメンバーも1軍にいける選手、その実力がある選手はもちろんいます。まずは下から、あとでチャンスをと。これは単なる振り分け。(現時点で)誰を使うと決めているわけじゃないですよ。レギュラーは奪い取っていくものだと思っています」
沖縄へ行くルーキー・坂本選手に関する話をしかけた、ちょうどその時に本人が通りかかり「坂本は…あ、来た!坂本、お前のこと聞かれてるねんで。え?なに?チャースやないがな」と矢野コーチ。大爆笑でした。気を取り直して「僕らの時は大学から入ったら1軍キャンプに行くのが普通やったしね。梅野にとっても歳が近いし、僕自身が見たいのもあるけど、他のキャッチャーに刺激を与える部分もあったから」と話しています。
メンバーの入れ替えには「監督も言っているように、下ですごく頑張っていれば引き上げるのもあり、これはちょっと…と思ったら安芸へということもあります」と言い、そのポイントとして「どれだけ声を出せるか。どれだけ元気にやれるかです。ブルペンでも。元気と声が一番大事。うまい、下手は関係ない。やればできる部分だから」と説明しました。
「そういうのを僕自身も見ていきたいし、感じていきたい。自分で何か行動を起こそうと思ったら、まず元気や声に出ると思います。ピッチャーに話しかけたりするコミュニケーションも大事」。本当にその通りで、元気と声は技術ではなく、やろうと思えば表に出るものですね。
今季もキャッチャー登録だったと笑顔を見せた原口選手は、もう既に鳴尾浜のブルペンから“臨戦態勢”に入っています。沖縄行きはかないませんでしたが、宜野座に届け!と大きな声でアピールすることでしょう。キャッチャーに限らず、私は安芸スタートの選手みんなにチャンスがあると、いや “チャンスしかない” と思っています。
1軍キャンプ初参加となった岩崎投手、横田選手、そしてルーキー・坂本選手のコメントはこちらからご覧ください。<阪神タイガース 春季キャンプのメンバー発表・後編>