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関東は顕著な梅雨の走り、都心の青空は今度いつ?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲と実況天気図(ウェザーマップ)

梅雨の走り

雲と雨の予想(ウェザーマップ)
雲と雨の予想(ウェザーマップ)

タイトル画像にある通り、きょう16日(月)も日本の南海上には長々と梅雨前線が停滞しており、梅雨前線上の低気圧が進んでいる影響もあって、太平洋側では雨の降っている所が多くなっています。

すでに梅雨入りが発表されている沖縄や奄美では典型的な梅雨空ですが、梅雨入りが発表されていない関東以西では梅雨の走りという状況で、なかでも関東地方は先週12日(木)から曇りや雨が続いていて、ほとんど日差しもないため、顕著な梅雨の走りという状態になっています。

きょう16日(月)も特に関東では雨が降りやすく、北東の冷たい風の影響でほとんど気温も上がらず、都心は15度程度で推移するものと思われ、3月下旬並みの肌寒さとなるでしょう。厚手の上着を羽織りたくなるような一日となりそうです。

では今度、都心で青空が広がるのはいつになるでしょうか?

あす17日(火)はまとまった雨雲自体は南海上に離れますが、まだ梅雨前線北側の雲域に覆われて、日差しはあまり期待できないでしょう。

あさって18日(水)になると梅雨前線はさらに南の海上に離れるため、ようやく前線の雲域も離れていくことになりそうです。こうなると晴天が期待されますが、関東地方にはしつこく低い雲が残る計算もあり、どこまで日差しが戻るのか、ちょっと微妙な感じです。

19日(木)になると、梅雨前線や低い雲もとれて、たっぷりの青空が広がることになりそうです。

あさって18日(水)は晴れ予報だが…

東京都心の予報(ウェザーマップ)
東京都心の予報(ウェザーマップ)

都心の予報をみると、あす17日(火)は雨こそあまり降らないものの、一日中曇り空が続くでしょう。あさって18日(水)は、低い雲がとれてくれれば、予報のように日差しが戻りそうですが、しつこく雲が残る可能性もあり、予報通りに晴れるか微妙です。

もし、あさって18日(水)まであまり晴れないことになると、1週間連続で曇雨天が続くことになり、5月としては10年から20年に1度程度の顕著な梅雨の走りという感じになります。

5月に1週間連続で晴れないのは過去4回のみ

5月の日照時間(気象庁発表資料に筆者加筆加工あり)
5月の日照時間(気象庁発表資料に筆者加筆加工あり)

上図は日ごとの日照時間のデータがある1961年以降に限り、5月の日照時間を調べたもので、日ごとの日照時間が2時間未満で、かつ1週間以上続いたのは上図の4回しかありません。

過去61年間でわずか4回しかありませんから、おおざっぱに平均すれば10年から20年に1度程度となるでしょう。

今年はきのう15日(日)までで4日連続となっており、きょう16日(月)で5日連続、あす17日(火)で6日連続となる可能性は高いと思われます。

もしあさって18日(水)も日照時間が2時間未満ならば、昨年(2021年)に続き、2年連続で、1週間続く顕著な梅雨の走りということになりますが、果たしてどうなるでしょうか。

なお上記4回の実際の関東甲信の梅雨入り日を調べると、2021年6月14日ごろ、2003年6月10日ごろ、1995年6月3日ごろ、1970年6月11日ごろとなっており、いずれも6月に入ってからの梅雨入りで、1995年を除き、平年(6月7日ごろ)よりはやや遅い梅雨入りとなっています。

あくまでもデータ上ですが、5月に顕著な梅雨の走りが現われるからといって、梅雨入りが早まるということでもないようです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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