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昨夏甲子園の明徳義塾戦以来。「まだまだ」でも150キロ鷹デビュー!剛腕18歳・風間球打が描く未来像

田尻耕太郎スポーツライター
待ちに待ったデビューマウンドに臨んだソフトバンク・風間球打

 10月6日、福岡ソフトバンクホークス三軍はタマホームスタジアム筑後で、アストロブレーブス(ルートインBCリーグ/茨城アストロプラネッツと栃木ゴールデンブレーブスの混合チーム)と交流戦を行った。

 

【10月6日 交流試合 タマスタ筑後】

アストロブレーブス `031000000 4

ソフトバンク    `000000000 0

<バッテリー>

【ア】齊藤、大宅、高橋国、渡辺、森、高野――叺田、佐久田

【ソ】風間、尾形、佐藤琢、田浦、ロドリゲス、村上、岡本――加藤晴、石塚

<スタメン>

【ア】4上田 9若松 8内山 2叺田 D土田 5葭葉 7石川 3野中 6鳥居

【ソ】7川村 5藤野 3小林 D笹川 9中村宜 6勝連 8荒木 4伊藤 2加藤晴

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風間球打「すごく緊張した」

 ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、風間球打投手が先発。プロ入団後初の実戦マウンドに臨み、予定の1イニングを投げて1安打1奪三振無失点の”デビュー”を果たした。

「投げるまですごく緊張したけど、みんなが声をかけてくれて少しほぐれてマウンドに上がれました」

 先頭の上田への初球が148キロをマーク。その後、カーブを中前ヒットにされた。それでもリハビリ期間に「メンタルが強くなった」と話す背番号1は「ランナーが出てからも落ち着いて投げられた」と、若松をフォークで遊飛、内山を147キロで左飛に打ち取り、最後は叺田をチェンジアップで見逃し三振に仕留めた。

 球場表示の最速は149キロ。球団計測では150キロをマークした。

強くなったメンタル

 風間は山梨県出身。秋田・ノースアジア大学明桜高校時代の3年生夏の県大会で自己最速の157キロをマーク。世代を代表する投手として注目を浴びて甲子園にも出場した。そして、昨年秋のドラフト会議でソフトバンクからドラフト1位指名を受けて入団。5月に右肘の張りや右膝の違和感などを訴えて、今季の大半はリハビリ組で過ごしていた。

<登板直後の主な一問一答>

(テレビ囲み)

――実戦登板はいつ以来?

「昨年夏の甲子園の明徳(義塾)戦以来です」

――どんな意識で臨んだ?

「力を入れすぎず、力まないように。フォアボールとか一番駄目なんで。とにかく打者に向かっていくことを考えました」

――球場表示で149キロ(取材後、球団計測で150キロを確認)

「今の出せる全力が出せました」

――自身の強みは?

「自分は直球で押すタイプ。このまま継続していきたいし、コーチにも『今日は真っすぐを投げろ』と。その通り出来た部分もあったけど、変化球を投げて打たれた。直球も変化球もどちらも磨いていかないといけない。ただ、真っすぐで三振が取れるようになりたい」

――今日の真っすぐは?

「高校の頃のいい時と比べるとまだまだ。これから調子を上げていきたい」

――右肘は?

「今日投げてみて全く問題ない。これから投げる機会があったら、どんどん投げたい」

――どんな準備をして臨んだ?

「すごく楽しみにしていた。しっかりといいアピールの場にしたいと思いました」

――昨夜は?

「なるべく早く寝ようと思ったんすけど、結局午前12時頃。もう少し寝れれば、もう少しいいピッチングが出来たと思います。これからはたくさん寝れるように、しっかり練習してたくさん疲れて、ご飯を食べて、たくさん寝たいです(報道陣を笑わせる)。今日はまだまだ。これからが自分もすごく楽しみです」

(ペン記者囲み)

――緊張とは無縁なタイプかと思っていた

「緊張はしましたね。でも、どちらかというと、楽しみっていう気持ちでした」

――ストレートについて

「球速のことより、キレがまだ戻っていない。(バットに)当てられているので、空振りをしっかりとれる真っすぐを投げたいです」

――描く未来像は?

「体が大きくなった。それをうまく生かして、千賀さんのように、力感ないフォームでトップレベルの球速を投げられる投手になれれば」

――今日投げた変化球は?

「カーブ、フォーク、チェンジアップです」

――無走者でもセットポジション。昨夏の明徳義塾戦はノーワインドアップだった

「プロ入ってからはセットで投げています。高校の時もセットのときの方が良かったという思いもあって、毎年何かフォームを変えながら、どんな風がいいのか確かめてるので。今年はたまたまセットポジションで一番しっくりきたので、ずっとセットポジションで投げています」

(写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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