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神戸大学出身のロックバンド「パノラマパナマタウン」がメジャーデビュー!

中西正男芸能記者
「パノラマパナマタウン」のボーカル・ギターの岩渕想太さん

 4人全員が神戸大学出身というロックバンド「パノラマパナマタウン」。1月17日、ミニアルバム「PANORAMADDICTION」でメジャーデビューし、新たな一歩を踏み出しました。2月4日からは全国14公演を行うツアーも開催。ボーカル・ギターの岩渕想太さん(23)は「大学までまじめに勉強をしてきたことから生まれる感情が、今の音楽に強く影響を及ぼしていると思います」と言葉に力を込めました。

軽音楽部での出会い

 大学の軽音楽部の同期4人で組んだんですけど、全員がほぼ初心者というところからスタートしました。僕も聴く側として音楽は大好きだったし、ライブにも行ってたんですが、音楽をやる側としての経験はゼロ。音楽は好きだし、漠然と「音楽をやることによって、飯が食えたら最高だな」と。でも、大学に入学した時には、言っても4年後にはどこか企業に就職しているものだと思っていました。

 ただ、最初、4人で集まってそれぞれの楽器を鳴らして音を合わせた時の感覚が衝撃的だったんです。こんなに楽しいものなのかと。楽器を鳴らして、自分が言いたいことを言う。それがこんなにワクワクするものなんだと。その驚きとインパクトが、今でも音楽をやっている源です。

音楽で生きていく

 本格的に、就職せずに音楽をやっていこうと思ったのは大学3年生の頃。就職活動を始める時期の直前に、今の事務所のオーディションに受かったんです。それまではそこまで詰めた話はしてなかったし、しなかったんですけど、最終オーディション直前に、4人で「このままいったら、就活全部あきらめてバンドをやることになるけど、それでもいいか」という話を初めてやりました。そうしたら、4人ともそれでいくと。そこで道が決まりました。

 それまでも、自分たちがかっこいいことをやっているという根拠のない自信はあったんですけど、コンテストで優勝したり、オーディションに受かったり。そうなっていく中で「自分らが考える“かっこいい”は自分たちだけが思っているものじゃない」という思いが得られて、じゃ、これを武器に戦っていこうと。

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“かっこいい”ということ

 自分たちが考える、かっこよさ。そうですね、他のバンドというと非常に大雑把な言い方になってしまいますけど、みんな、ルールにとらわれている気がして。ロックバンドって自由だし、言いたいことを言って、やりたい音楽をやったらいいはずなのに、まずAメロがあって、Bメロがあって、サビがあるという、よくある曲の流れに落とし込んでいくというか…。歌詞の内容も、いい人っぽいことを言わないといけない。売れたバンドのフォロワーというか、そのバンドになりたくてやっているというか。それよりも、僕らはまだ誰もやっていないことを切り拓くのがバンドの魅力だと思っていて、それをやろうとしている。自分らの中ではそれが“かっこいい”と。ま、こんなことを考えるのも、みんなが初心者だったからかもしれませんけどね。

 今年からメジャーデビューということになりましたけど、メジャーってもっと「こうしなさい」といろいろ言われるのかと思ったら、逆に、僕らが何をやりたいかをどんどん聞いてくれるというか。もともと4人だったところに、いろいろな人が入ってくる。僕らのために。その人たちのためにも船を沈ませるわけにはいかない。その責任感は新たに出てきました。

勉強から学んだこと

 大学まで勉強をしてきた意味みたいなことを言うとすると、この答えで合っているかどうかは分かりませんけど、まじめに宿題も出すし、まじめに生きてきた。その経験があるからこそ、まじめにやりすぎると、自分の意志がなくなっちゃう怖さも感じていた。誰かの言うことを聞いていたら、うまくはいくかもしれないけど、そのまま人生が終わっちゃう気がして。まじめにやればやるほど、そこへの違和感、退屈な気持ちが大きくなっていった。そこをなくしてくれたのが音楽、バンドだったんです。

 こんなことを言ってますけど、高校3年まで、神戸大学はE判定でした。高3から本格的に勉強して、判定がE、D、C、B、Aと上がっていくのが楽しくて。ただ、塾とか通信教育はやったことがなくて、自分で参考書を見てそれをやるというパターンでしたね。学校でも先生の話はほとんど聞いてなかったですし。そのあたりから、今のバンドの方向性が表れていたのかもしれませんね(笑)。

(撮影・中西正男)

■岩渕想太(いわぶち・そうた)

1995年1月18日生まれ。福岡県北九州市出身。神戸大学入学後、軽音楽部のメンバーだった浪越康平(兵庫県出身、ギター)、田野明彦(大阪府出身、ベース)、田村夢希(広島県出身、ドラム)と、2014年に「パノラマパナマタウン」を結成。ロッキング・オンが主催する「RO69JACK」でグランプリを獲得。さらに、「MUSICA」「A-Sketch」「SPACE SHOWER TV」「HIP LAND MUSIC」が主催する4社合同オーディションでもグランプリに輝いた。今年1月17日にメジャーデビュー作品となるミニアルバム「PANORAMADDICTION」をリリース。2月4日から全国14公演を行うツアーがスタートする。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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