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<天皇杯>ガンバ大阪が川崎フロンターレを征し、ベスト8に進出。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

『連覇』に向け、天皇杯ラウンド16の戦いに臨んだガンバ大阪。日本代表の宇佐美貴史、藤春廣輝が不在の中、前半からガンバ大阪らしい攻撃力を示す中で、前半終了間際に大森晃太郎のゴールで先制点を奪う。後半の立ち上がりは、前がかりになった川崎の攻撃をやや受ける時間も続いたが、53分に倉田秋のゴールで加点して突き放し、2-0で勝利。ベスト8進出を決めた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

ホームで勝てたことがよかった。選手も前回、J1リーグセカンドステージのアウェイ戦で3−5というスコアで負けていたこともあり、また、ここ2戦負けていることもあり、気持ちを入れて、非常にアグレッシブにプレーしてくれた。つなぎのミスはありましたが、奪った後の迫力がかなり出てきたと思います。切り替えのところも非常にアグレッシブにやれた。何回かはがされたシーンもありましたが、川崎とやる場合は仕方ないかな、と。剥がされたとしても、ゴール前、しっかりと最後のところで対応しようと言っていた。危ないシーンも何度かありましたが、最後のところでしっかり対応できたと思います。これで年末までサッカーをやれますので、最終戦もしっかりと勝って、他力かもしれませんが可能性を信じて、山形戦で、ホームサポーターに喜んでもらえる試合をして勝利をプレゼントできればと思います。

ーここ2戦、勝てなかったのはありましたが、攻撃陣も点を獲れていなかった。今日、2点を獲った攻撃陣の評価を。

かなり前の迫力は出て来たと思っています。ここ2試合、何が足りないのかというところで今週の練習は、ほぼ攻撃の練習に費やしました。若干は守備もやりましたが、基本的にはどういう形でゴール前に迫力を出すのかというトレーニングをしてきました。その中で個々がしっかりと頭の中を整理をして、クロスに対する枚数ということでも、いつもはパトリック1枚だったところが、逆サイドの選手が入ってきたりというシーンもあったし、最後ヤットがミスするとは思わなかったですが(笑)、ヨネの迫力ある攻め上がりもみれてきましたので。そのへんの映像を今週はみせて、もう一度チームとしてしっかり戦おうと臨んだ。また、前回の広島戦は若干途中で集中力がきれたので、今日は最後まで集中をきらさないようにということは言っていました。うまくいかないときもあるので、そこで焦れずにチームとして戦おうと。前半、流れが行ったり来たりしている中で、最後、自分たちの流れの時に先制できたのは大きかったと思います。当然後半は、川崎が前がかりにになるのは分かっていた中でカウンターから2点目が取れたのも良かった。そういう流れの中で守備の時間は長くなりましたが、しっかりと押し返して3点目をとるチャンスは何回か作ってくれたので。非常に選手たちがチームが勝つために何をすべきかということを理解して戦ってくれたと思っています。

ー大森選手は攻守にらしい仕掛けがみられました。今日の評価を。

最後はバテたので二川を入れようとしたら終わってしまったのですが、最後疲れてはいたと思いますが,最後までアグレッシブにプレーしてくれた。本当に晃太郎らしいドリブルの仕掛けとか、飛び出しをしてくれたと思っています。貴史がいない分俺がやらなきゃということで、晃太郎も非常にアグレッシブなプレーをしてくれたんじゃないかと思います。

●西野貴治

大事な試合で無失点で勝てたのは良かった。先月くらいからちょこちょこチャンスをもらっていて、敬輔くんやジョンくんがケガでセンターバックがいない中で結果を出したいという気持ちは強かったので、無失点で勝ててよかった。今年もケガが治って試合を重ねている分、自分の中でリズムも出て来ていますし、いつも通りにやれればと思っていました。(川崎の攻撃について)やっぱり攻撃力のあるチームだったので、後手にまわってしまうとピンチになるので自分たちからラインをあげたり、守備をしようと試合前から丹羽ちゃんとも話をしていました。結果、結構ラインも高く保つことができたし、自分たちから積極的に守備ができたのかなと思います。勝てたということが何よりの自信になる。続けていきたい。

●米倉恒貴

勝ってよかったです。(対川崎について)嘉人さんの一発の動き出しは常に警戒していたし、実際常に動き出していたので。今日はそこにボールがあまり出て来なかったですけど、やっぱりああやって動き出されるのは嫌だし、警戒はしていました。今日はある程度前から守備がはまったこともあり、相手のグラウンドで自分たちのサッカーができた時間が多少多かったのが、結果に繋がったのかなと思います。(前からの守備がはまった要因は?)前回結構、ズルズルさがっちゃって、相手にやりたい放題やられてしまいましたから。相手にフリーでプレーさせると、やる能力があるのは分かっていたし、そこをやらさないようにというのは試合前から話して、だからこそ、できるだけ前からいこうと話していた。もっといけたと思いますが、前回よりはいけたとは思います。

●大森晃太郎

久しぶりのゴールは嬉しいですね。試合前に監督にニアに飛び込めと言われていたんですけど、実際その形で点を決められたのは嬉しかったです。パトが仕掛けたところであそこで僕が触れなくても、自分が潰れる動きでほかのところがあいてきたりもするので。結果的に僕のところにきましたけど、それはよかったです。先週と今週といい練習ができていたし、身体もきれていたので、いい感じで結果を残せそうだなというのはありました。(今日の試合でも動けていたという手応えがあったのでは?)やっぱり基本的なところからやっていこうということで、ハードワークをして、そこから自分の良さを出していこうと思っていて、今日はいい形でそれが点にも繋がったので良かったです。(今後に弾みがつく?)前半は仕掛けるところもできたしハードワークもできたので、これからも試合数は少なくなってきましたが結果に拘ってやって行きたい。今日は川崎という相手で、まわさせられると疲れるだけなので前からいこうというのは試合前に、丹羽ちゃんとか後ろの選手ともいっていて、それを声を掛け合いながらやれたのは大きかったと思います。

●遠藤保仁

相手も繋ぐチームだったので我慢の時間もありましたが、カウンターからどちらもとれたのは良かった。その他にもチャンスはあったし、我慢強く戦えたと思います。(一番意識していたところは?)先手を獲ることですね。それ以外は川崎のスタイルは多少出させても、ボックス内でチャンスを与えなければと思っていたので、そこは守備陣も我慢しながらやれていましたし、GKと1:1とかすごいピンチもなかったと思うので、前線からの守備もしっかりやっていたし、チーム全体としてコンパクトに守れたのは良かったと思います。これを続けて行く事が大事ですが、勝ったり負けたりが続いていたので、しっかり勝ってベスト8に進出できたのは評価していいこと。今週はいいトレーニングもできていたので。毎試合これくらい点が取れるようにして行ければ勝てる可能性も増える。チャンスでしっかり決めきるという事はこれから先も練習も含めてしっかりやっていきたい。(タイトル獲れる可能性が少なくなっている中で改めて天皇杯へのタイトルに向けて)まずはリーグ戦でプレイオフに入って、というのが一番近い目標ですが、天皇杯もACLに繋がる大事な戦いですし、タイトルも獲りたいので。今日もいい相手でしたがそこで勝ち切れたのは次に繋がると思うし、あとは3つ勝てばチャンピオンなのでしっかりと、天皇杯に関してはかなり感覚はあきますが次の鳥栖戦に向けていい状態でのぞみながら、チャンピオンをとるチャンスがある限りそこを目指してやっていきたい。

●倉田秋

試合前から、コンちゃんや丹羽ちゃんと前から守備にいこうという話をしていた。守備から攻撃を仕掛けていったことで、いい位置で奪えてこっちのペースに持ち込むことができた。でも、僕にも、パトにも他にチャンスがあったし、決めていればもっと楽に勝てたとは覆います。(ゴールシーン、かなり走りましたね)僕にもあんなんできるんだな、と(笑)。ハーフから持って行って、みたいなのはプロに入ってからなかったし、高校の時以来ぐらいだと思います。(ゴールシーン、コース取りが巧みでしたね)パトがオフサイドになりそうやったから。狙って、というか無我夢中で持ち込みました。(最後までパワーが落ちなかった)去年も今年も、スプリントを積み重ねてきている。そのおかげだと思います。最後までやっても、いけるぐらいと感じだった。毎試合走ってきてよかったです。(やっと連敗のショックを振り払った?)吹っ切れたというか。やるしかないんでね。もう負けて下から見上げるのはイヤなので。今日は一つのボールに対して、全員が食らいついていけたというか。もう一回、ACLをって気持ちは強いし、悔しいだけで今シーズン終わりたくないんで。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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