23就活解禁も既に内定率は28.6%の現実。インターンシップの影響力高まる。
2023年春卒業予定の大学生らを対象にした新卒採用活動(企業広報解禁)が3月1日解禁され、学生にとっての就職活動が本格化している。新型コロナの採用活動への影響を心配する声も多い中、ここ2年は採用を抑制した反動などもあり、企業の採用意欲は回復傾向にある。経済活動の正常化などを見据えて採用人数を増やす動きが広がっていると言える。
企業の新卒採用への意欲高まる
実際に、2023 年3月卒業予定者の採用見込みとして、採用数を増やすと回答した企業は26.6%で、22年卒と比べて11.0ポイント上昇している(キャリタスリサーチより)。コロナ禍で厳しい選択を繰り返した大手航空会社も採用再開を決断するなど、アフターコロナを見据えて新卒採用にアクセルを踏む企業が増えている。
解禁も既に3割が内定獲得
一方、学生の動きでは興味深いデータが出ている。3月1日の時点で内定を得ている学生は全体の28.6%、前回調査からの 1カ月間に 8.4ポイント上昇し、就活解禁とは言うものの、すでに3割近くが内定を手にしていることになる。現在の就活日程ルールが7年目を迎える中で、活動全体の早期化が見えてくる。
さらに、既に内定を得ている企業の7割強(74.1%)がインターンシップに参加した企業となれば、就職活動の解禁は大学3年生の夏のインターンシップということになる。
インターンシップが就活のカギ
実際に就活生の9割が何らかのインターンシップに参加をして、早期内定獲得をする学生の中で、内定獲得の7割強がインターンシップに参加した企業となれば企業側は注目せざるを得ない。母集団形成の在り方や採用戦略そのものを見直す必要があるからだ。
とは言え、1DAYインターンシップへの懸念も過熱する中、企業はインターンシップの立ち位置や役割をしっかり見直さないと、本選考のKPIに大きく影響してしまう。24卒向けインターンシップの準備をしている企業が多い中、今年の夏のインターンシッププログラムにも注目が集まりそうだ。
内定獲得も就職活動はまだまだ継続
経団連の就活ルール廃止から政府が示す「就活ルール」へ移行しても広報活動が3月、採用選考活動は6月が開始時期と変化はない中で、実態は上記のように選考の早期化が進んでいる。ここで懸念されるポイントは、内定取得学生のうち就職先を決めて就職活動を終了したのは19.0%で、大半は内定を得ても就職活動を継続しているという点だ。つまり、内定辞退が増加していくことになるので採用担当者には頭の痛い話だ。
新卒採用は経営の一丁目一番地
コロナ禍のオンライン就活では企業から得る情報が薄いと就活生は口をそろえて発言している。故に、内定獲得をした学生は軽い気持ちで選考辞退や内定辞退をしてしまいます。採用担当者はそんなコロナ禍の学生トレンドや視点を良く理解した上で、これまで以上に情報を立体的に、よりリアルに就活生に届ける工夫が必要になる。
魅力付けする部分以外にも、学生が不安に思う点も先手を打って解説したり、オンラインでは伝えづらい非言語的コミュニケーションに注力したりすることで就活生の心をグリップできる、つまり辞退を防ぐことに繋がるはずだ。
選考の早期化は、優秀な学生確保に向けた競争が激化するということでもあるので企業は改めて新卒採用を経営の一丁目一番地として捉えて、戦略を練り直すことが新時代には重要になってくるはずだ。
はたらくを楽しもう。