NY原油23日:ガソリン在庫の増加を受けて反落
NYMEX原油7月限 前日比0.74ドル安
始値 61.14ドル
高値 61.57ドル
安値 59.80ドル
終値 60.27ドル
米石油製品在庫の増加が嫌気され、反落した。
前日は米エネルギー情報局(EIA)統計で米国内需給に対する引き締め圧力が確認されるとの見方から買い優勢の展開になっていた。特に、ドライブシーズン入りしたガソリン需給にタイト感が浮上するとの見方が、主に石油製品相場を通じて原油相場をサポートした。実際に米原油在庫(6月19日時点)は前週比-490万バレルの4億6,300万バレルとなっており、減少トレ
ンドを維持している。ただ、製油所の原油処理量が増加する中、ガソリン在庫の方は前週比+70万バレルの2億2,850万バレルと減少に転じており、原油相場を一段と押し上げることに失敗している。石油製品は石油供給におけるボトルネックと化しているが、今週は需給の緩和が示されたことが、素直に原油相場を下押ししている。
石油輸出国機構(OPEC)の年次報告では、2014年のOPEC産原油の市場シェアが41.8%になったと発表された。13年の43.4%を下回り、2003年以来の低水準になる。ただ、15年は明確な増産政策に転換していることで、今後は市場シェア回復の動きが想定されよう。特に原油価格見通しに影響を及ぼすような内容ではない。
国際原油需給に関しては緩和状態が続くとの評価が確立する中、米石油在庫の減少傾向という数少ないポジティブ材料を消化できれば、改めて下値切り下げ傾向が強まろう。「国際原油需給の緩和見通し」と「米原油在庫の減少傾向」の強弱材料について、前者を重視する動きがやや優勢になり始めている。ただ本格的な値下がりにはドル安傾向に歯止めが掛かることが必要不可欠であり、60ドル水準のボックスを下抜けできるのか否かは、ドル相場の動向に依存することになろう。急激なドル反落傾向には歯止めが掛かり始めているが、本格的な値下がりにはドル高会期が必要不可欠とみている。