ドラゴンズは小笠原をウェイバーに掛けてあげるべきだ
谷繁元信監督兼捕手が、7月28日の阪神戦で通算3018試合出場を果たし、野村克也氏を抜き歴代単独1位となった。日本プロ野球の歴史に刻まれるべき快挙だ。心から祝福したいと思う。
しかし、その一方で何とかしてあげたい思いに駆られるもう一人のレジェンドがドラゴンズにはいる。41歳の小笠原道大だ。
彼は、開幕から代打で打ちまくったが、9打席連続無安打だった7月6日に二軍落ちとなり、28日にようやく再登録された。降格時点では連続無安打こそ続いていたが、打率は.325と堂々たるものだった。
降格時点では谷繁監督は「不振による調整目的ではない」としながらも、抹消の真意に関しては言葉を濁している。
元々世代交代の遅れという大きな問題を抱えるドラゴンズ。それが、苦戦を強いられているとなれば、若手重視の起用方針に転じるのはごく当然のことだ。時を同じくして、遊撃の遠藤一星や捕手の桂依央利などの若手が抜擢を受けた。そのことは結構なのだか、小笠原の動向も気になっていた。
ウェスタン・リーグでの小笠原はチームの公式戦11試合中8試合に出場し、打率.300。通算2118安打&378本塁打という歴史に残る強打者なのだから当然とも言えるが、ともすれば目標を失っても無理はない状況に置かれていることを勘案すると、称賛に値する。
しかし、ドラゴンズはこれから小笠原をどう処するつもりなのだろう。今後は結果さえ残せば一軍に居続けることができるだろうか。チームは球宴後も1勝5敗で借金は12で最下位だ(28日現在)。若手重視の起用方針が劇的に変化するとも思えない。
ドラゴンズは小笠原をウェイバーに掛けてあげてはどうか?
下位に低迷し、若手への切り替えが望まれるドラゴンズにとって、小笠原はややアンマッチな存在であることは否定できないだろう。代打の切り札として高打率を残しながらファームで塩漬けにされていた事実が、それを証明している。
しかし、優勝争いを展開している球団、特にパ・リーグなら小笠原の勝負強さや経験を、代打要員や時おりのDHとして必要とするチームもあるのではないか。ドラゴンズは、現在の編成に彼が合っていないなら、活躍の場が得られる球団に移籍する機会を与えてあげるべきだと思う。10月には42歳になる彼に、残された時間は長くない。それには、7月31日まではトレードという手段があるが、いっそのことウェイバーでも良いと思う。それこそが、この偉大な選手に対する真の敬意だと思う。
最悪の展開は、例えば高橋周平あたりを再度昇格させる時期が来ると、再び登録を抹消されることだ。そして、そのまま昇格の機会を得られず引退の決意を余儀なくされ、最終戦でお情けのお別れ打席を務めるためだけに呼び戻されるというケースだ。彼に必要なのはお涙ちょうだいの引退セレモニーよりも、その力量を必要とされる出場機会だと思う。