インド工科大学、赤十字と提携「人道主義と技術プラットフォーム」創設:まずはキラーロボットを議論
インド工科大学(IIT)デリー校と赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross (ICRC) )は2019年1月、「人道主義と技術プラットフォーム」の創設で提携した。
インド工科大学はインドでも有数の理工系大学で、優秀なエンジニアや科学者が多い。赤十字とともに立ち上げた「人道主義政策と技術のプラットフォーム」では、AIやロボット、ナノテクノロジーなど新たな技術開発が人道主義的な活用をされるかどうか、国際人道法に基づいて戦争に利用されないかどうかを検討し、議論していくことを目指している。
「人道主義問題の解決に寄与」
赤十字国際委員会のバイス・プレジデントのGilles Carbonnier氏は「赤十字は、世界的にも科学技術の研究で有名なインド工科大学デリー校と提携することを光栄に思っている。『人道主義と技術プラットフォーム』はインド工科大学と赤十字だけでなく、アジアや世界中の多くの関係者も集い、新たな技術が戦争に利用されないかどうかを国際人道法的な立場からグローバルな議論ができるようになることを信じている。また、新たに開発される技術が人道的な活用ができるような可能性を模索することも期待されている」とコメント。
インド工科大学デリー校のV Ramgopal Rao教授は「赤十字員会のように長年に渡って、人道主義的な行動をしてきた組織と一緒にプラットフォームを立ち上げることができるは非常に喜ばしい。インド工科大学で研究、開発をしている科学技術は人道主義的な問題や政策に合致していく必要がある。このようなプラットフォームは技術進化の速い社会において、とても重要な役割を果たすだろう。両者での提携による『人道主義と技術プラットフォーム』はアジアだけでなく世界中での新たな科学技術の発展と人道主義問題の解決に寄与していくだろう」と語った。
キラーロボットを議論
両者でのパネルディスカッションでは、AIの発展による自律型殺傷兵器(LAWS)とキラーロボットによる軍拡について議論された。キラーロボットの発展によって、ロボットが人間の判断なしで、自律的に人間に攻撃を仕掛けてくること、ロボット同士の戦争への発展に対しる人道主義および国際人道法の観点からの議論が行われた。赤十字国際委員会とインド工科大学デリー校では、これからも「人道主義と技術プラットフォーム」での議論を重ねていく。