水ってタダでもらえる? 旅先でのマイボトル 国内・海外お水事情
SDGsの観点から、マイボトルを持ち歩く人も多い今日この頃。プラスチックごみを減らすことに貢献することができ、かつ経済的でもあります。
では旅行のときは? マイボトル、持って行きますか?
国内旅行では活躍の場多し
東京都では『Tokyowater Drinking Station』(可動型水飲栓)を都内各地に設置しており、その数なんと900ヶ所。公園など公共性の高い場所にある、いわゆる「水飲み場」も含んだ数ですが、観光地などでは冷たい水をボトルに入れることができるサーバーもあり、マイボトルホルダーにはとても便利なサービス。
水道水が飲める国・日本。さすがです。
ボトルに入れることができる仕様の飲用水栓、筆者は名古屋城などでも見たことがあり、国内ではそこここに広がっているといえます。水道水を敬遠する人も多いですが、東京都でも名古屋でもスムースで飲みやすい、日本ならではの軟水がいただけるのでおすすめです。
こうした動きは全国各地で見られますので、国内旅行ではマイボトルを持ち歩くのはありですね。むしろ、こんな水栓を探して”土地の水”を飲んでみるというのも旅先アクティビティになりそう。
”常識”が異なる海外の場合
では、海外旅行のときは?
基本的に、水が”無料”という感覚は日本独自のものであることはすでによく知られていますが、海外でもマイボトルを推奨する動きが高まっています。が、旅行者の場合はどこで水をゲットできるのでしょうか。
まずは、空港で。
100mlを超える液体はセキュリティゾーンに持ち込むことができませんので、マイボトルは空にしておきましょう。
成田空港、羽田空港には保安検査場のあとに無料で水を入れられるウォーターサーバーが数カ所設置されており、ここで搭乗前にマイボトルに水を入れておくことができます。
東京の空港内(成田・羽田)にあるボトル用の給水器は冷水、または60程度の温水を選ぶことができるものもあります。温水は赤ちゃんの粉ミルクを溶くのにも使えるので、温度設定もナイスですね。こうしたモダンなサーバーは国際空港など限られた場所だけかもしれませんが、昔ながら(?)の水飲み場的な水栓はどの空港にもあります。マイボトルに水をくむとなると入れにくいものの、可能ではありますので活用しましょう(※感染症対策で使用不可になっているところもまだ見かけますが)。
海外の空港でも、飲用水栓が設置されているところを多く見かけます。トイレなど水場の近くにあることが多く、常温のお水であることがほとんど。北米では冷たい水が出るサーバーがあったりしますから、冷たい水を好むかどうかはお国柄かも?
海外では水道水が飲めない国のほうが多く、こうした飲用水栓の水は「飲用水としての安全性が確保されている水を無料でいただける」という認識で飲むことをおすすめします。水質は当然日本とは異なりますし、水の成分や味にこだわりがある人はボトルウォータ―を買うのが無難です。そこまでこだわりがないけれど、匂いが気になるという場合は水出しのフレーバーつきお茶パックなどを利用してごまかす手もあります。
ホテルはランクによってさまざま
ホテルでは、世界的に「脱ペットボトル」を掲げているところが増えています。
高級ホテルの場合、無料(complimentary)のペットボトル水が数本室内に用意されているのが一般的ですが、これを瓶やアルミ缶でのサービスに変えるなどしてペットボトルの削減に努力しているホテルが多いのです。
こうした環境保全に積極的なホテルであれば、レストランなどで「マイボトルに水を補給してほしい」とお願いしても、快く応じてくれるでしょう。朝食の際にでもマイボトルに水をくむことが可能です。
こうした対応はホテルによってさまざまですが、ホステルなど格安でシンプルなサービスを標ぼうしている宿泊施設の場合は、飲用水を無料で提供するサービスがない可能性が高いでしょう。
そうした宿泊施設に投宿した場合は、煮沸した水道水を冷ますなどしてマイボトルに入れるしかありません。近くのコンビニなどで大容量のペットボトルの水を買ってマイボトルに詰め替えれば小さいペットボトルを何本も買うより経済的ですが、やはり手間はかかります。
マイボトル=環境意識の高さ?
国内でも海外でも、環境意識の高まりから、マイボトルを受け入れる人も施設も増えています。マイボトルを持ち歩いているからといって必ずしも「水代をケチっている」と評価されるわけではありません。とはいえ、TPOは守るべきで、たとえばホテルのバフェなどで水が汲めるようになっていたら、そこから自分のボトルに水を入れてもいいか、スタッフに聞いてみるといいでしょう。「もちろん!」と応じてくれることもあれば、衛生管理のため、とバックヤードでスタッフが水を入れてくれることもあります。
また、レストランでもボトル入りの水をオーダーし、飲みきれなかったものをマイボトルにつめて持ち帰るのもOKでしょう。食べきれなかった料理を持ち帰る”ドギーバッグ”と同じ感覚で、ボトルごと持ち帰る人をよく見かけます。自分でオーダーしてお金を支払ったものであれば、退店時に店外に持ち出すことは問題にならない国が多いです。ただし、高級レストランはこの限りではありません。
※高級店でも近年ではSDGsの観点から、デザートやパンなど食べきれなかったものを包んでくれることもあります。どのお店にもポリシーがあるので、それに沿って雰囲気を壊さないようにしましょう。
飲用水の確保が難しい国やエリアの場合は、水は必ず「買うもの」であって、水よりもビールのほうが安い、なんていうこともあります。その場合はマイボトルの出番は少ないかもしれません。
というわけで、マイボトルを持ち歩いているとその地域のお水事情や施設の環境への取り組み姿勢が見えてきたりもします。旅先のことを別の角度から知る機会でもありますので、お邪魔でなければぜひとも持ち歩いてみてください。