TOKYO的地下迷宮カオスキッチン【東京都渋谷区】
その昔、ジャミロクワイのJay Kayが来日した際、「地上には人がいないのに地下には別世界が広がっていたんだ!」と冬の札幌の地上と地下街のギャップに驚いたエピソードをコンサートで語っていた。それがきっかけで生まれたのが あの世界的ヒット曲「ヴァーチャルインサニティ」なのだとか。あれから四半世紀あまり。渋谷PARCO地下の「カオスキッチン」に行くたび、当時のJay Kayをここにいざなってみたいものだなぁと妄想…。
2019年にリニューアルした渋谷PARCOの地下1階に広がるカオスキッチンは、食を中心に、音楽やカルチャーがミックスした店舗がひしめく異空間。立ち食いうどん、ヴィーガン居酒屋、ジビエ・昆虫食、レコードショップなどなど、まさに地下迷宮の一大カオス。
カオスキッチンの環境デザインを手掛けるのは、武蔵野美大の図書館などの作品で知られる建築家の藤本壮介氏。ミラーが天井や壁・床に多用されており、店の電飾や行き交う人々の姿が鏡面に映り込んで まるで万華鏡を覗くような不思議なけしきが縦横無尽に広がる。
キッチュで無国籍でお祭りのように賑々しく、昭和レトロも近未来も隣り合わせで、何もかもがジャンルレスでタイムレス。カオスキッチンは東京・渋谷的な混沌をぎゅっと凝縮したような空間なのかも。
私のように超方向音痴な人間は、カオスキッチンの地下に降りた瞬間から 迷宮の迷い人に…。どこをどう歩いているかもわからないまま彷徨っていると、目の前に忽然と現れる京都の町屋風ファサード(BGMがクラブミュージックから急にお琴の音色に変わる感じ…)。
「おこしやすー」と呼ばれているような気がして、ついふらっと店の中へ。
京都に本店のある宇治抹茶の和カフェ「京都 茶寮翠泉」に入ると、渋谷のカオスから はんなりな京都に瞬間移動。
看板メニューの出来たて温わらび餅は、伸びのよいわらび餅と雪塩のほんのりきいたきな粉の相性が絶妙。甘さは控えめだけど 見た目よりボリューミーなので、腹ペコモードの時のおやつにぴったりかも。
わらび餅をほくほくいただいているうちに、「あれ、自分はいま何処にいるんだっけ?」という感覚に。。。おそるべし、カオスキッチン。昔からアジアの混沌としたマーケットや中東のスークが好きでよく訪れているけれど、渋谷PARCOのカオスキッチンもそんな世界観に通じるものがあるかも。不思議なトリップ感覚が愉しめるので、ふらっと迷い込んでみて。
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渋谷PARCO カオスキッチン
東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO B1F
営業時間は店舗により異なるので
下記の各店舗にご確認ください。
https://shibuya.parco.jp/floor/detail/?f=b1f
※マスクエチケットを守りましょう。
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