関東甲信や静岡で40度以上が続出か、日本の歴代1位更新も?これまでの40度以上の全記録は?
強い太平洋高気圧
強力な太平洋高気圧に覆われて、関東以西では記録的な暑さとなっています。この太平洋高気圧は今後西へと中心が移るため、関東など東日本の暑さのピークは当面きょう29日(月)からあす30日(火)にかけてとなりそうです。ただ一気に衰えることはなく、その後も西日本を中心に猛暑は続く見込みです。
東京都心は午前9時に早くも猛暑日、すでに38度超が続出
きょう29日(月)午前11時10分までの最高気温は、静岡県天竜で38.9度、栃木県佐野で38.4度、八王子で38.3度など、すでに38度以上が続出している他、東京都心でも午前9時02分に早くも35度以上の猛暑日となり、36.8度と、ことし一番の暑さを更新しました。
40度以上が続出する予想、日本の歴代1位更新も?
気象庁発表の予想最高気温は、浜松で41度、前橋、熊谷、甲府で40度となっていて、コンピュータがはじき出した最高気温の計算(MSMガイダンスとGSMガイダンス)では、静岡や関東甲信を中心に、20から30地点程度で40度以上まで上がる計算となっています。
下述しますが、これまでの日本の歴代1位の暑さは熊谷と浜松で記録した41.1度となっていて、きょう29日(月)はこの記録を抜き、日本の歴代1位の暑さが更新されるかもしれません。また1日で最も多い40度以上の観測は6地点となっていて、これも上回るかもしれません。
海水温の高さも暑さに拍車をかける
上図は日本周辺の海水温の様子ですが、平年より高く、特に関東から九州のすぐ近くまで30度以上が広がっています。この暖水の影響で、海風が入っても気温の低下が阻害され、夜間でも30度をわずかに切るような状態となっていますので、海水温の高さも暑さに拍車をかける一因となっているかもしれません。
熱中症警戒アラートが広範囲に発表中
熱中症警戒アラートが福島や新潟から九州にかけてのほとんどの地域に発表されています。体温を上回る危険な暑さがしばらく続きますので、エアコン等により、できるだけ涼しい環境で過ごし、こまめな水分補給や塩分補給を心がけて下さい。涼しい環境で過ごすことができない場合は、衣服を緩めることや重症化等の予防に、皮膚を濡らしてうちわや扇風機で扇いだり、氷やアイスパックなどで冷やすことも対策として考えられます。
また特に脱水状態にある人、高齢者、乳幼児、からだに障害のある人、肥満の人、過度に衣服を着ている人、普段から運動をしていない人、暑さに慣れていない人、病気の人、体調の悪い人などは、熱中症にかかりやすい「熱中症弱者」とも呼ばれています。これらの方々は、自ら積極的に対策を実施し、周囲の方々も声がけの実施をお願いしたいと思います。
40度以上は、過去35地点でのべ70回記録
筆者がこれまでの最高気温40度以上の記録を調べたものが上表です。きのう28日(日)までに、全国35地点で、のべ70回観測されています。観測方法の違いなどはありますが、2010年頃から目立って多くなり、これまで年間で最も多く観測した年は2018年の17回となっています。また1日に最も多く観測された地点数は、2022年7月1日の6地点となっています。
関東以西の主要都市における主な最高気温は、名古屋で40.3度を記録したことがありますが、東京都心39.5度、横浜37.4度、大阪39.1度、京都39.8度、広島38.7度、福岡38.3度などとなっていて、40度以上を記録したことはほとんどありません。