『ACLの懐の深さを感じさせる試合』ACL浦和vs浦項【浦和レッズ川柳試合レビュー】
■リーグ戦とは違うACLの年齢層
うっかり試合開始時間を勘違いしてしまった。午後7時半スタートだから、30分くらい早くついていればいいだろう、と埼スタに着いたら、ちょうど試合開始のカウントダウンだった。おかげで、ハーフタイムにMDPを買いに行ったら、すでに「完売」。観客数は1万4千人足らずなので、たぶん少なめに刷ってたんだろうな。
スタンドを見回すと、ちょっと不思議な現象に気が付いた。平日夜の試合といえば、今までだと「ソロ活オジサン」が多い感じだったのが、何か年齢層が若い気がするのだ。あくまで私個人の印象で、ちゃんと数を数えているわけではないけど、どうも以前からリーグ戦に比べてACLの観客は若いイメージはあった。あるいは、若者の方が中高年より、サッカーを「世界のスポーツ」としてとらえる意識が強いからなのか。
ま、そんなにもっともらしく語っても、理由はよくわからん。
ただ、オーロラビジョンに出る出場メンバー表は、アルファベットで、字も小さくて、ほんと、68歳の私には見づらい。いつものリーグ戦のがいい。
オーロラの 年寄り泣かせの メンバー表
■完敗・・・
試合始まってから、ショルツも酒井もいないのがわかる。アレ、これはいわゆる「ターンオーバー」ってやつかな、と見ているうちに、「試合が多すぎて疲れてんの?」と聞きたくなるくらい、レッズの選手の動きが重たいのを感じる。魚でいったら「イキが悪い」ってことか、ピチピチしてない。たとえばマイボールになっても、前の選手があちこち動く、いわゆるフリーランニングみたいなのがほとんどなく、ポールをキープしてる選手もパスの出どころがなくて躊躇してるシーンが多いのだ。まさかショルツと酒井がいないだけでこんなに、車の運転初心者みたいになっちゃうの?と不安感いっぱいなところで、いきなりDFを破られて失点。おいおい、相手のスピートに全然ついてってねぇじゃねぇか、と呆れちゃうくらい。韓国のKリーグって、こんなに強かったっけ。
動かない 浦和が浦項(ポハン)に 動き負け
後半になって、酒井と中島が入って、少しは状況が変わるかと思いきや、あっさりと敵の高速カウンターに左サイドをぶち抜かれ、最後はクロスからピンポイントで決められてしまった。その後も、私のいる南側自由席の方に向けて、浦項の攻撃は立て続けで、しかもちゃんとシュートは枠内に入ってくる。西川がナイスセーブしなかったら、あと3点ぐらいは確実にとられてた。それに中島、なかなかかつての輝きを見せてくれない。
ありゃりゃ、アジアのチーム相手に、こんなに実力差、っていうかスピードに差があるのかと、やや哀しくなる。まいったな、これでスピードで勝とうとしたらあのエメルソンでも呼んで来なきゃならない。
完敗に エメのスピード 思い出す
いやまったく、最近の日本サッカーは韓国より良い成績をおさめているはずなのに、クラブ単位だと、こういう負け方したりもするんだ。改めてACLの懐の深さとともに、よくここで3回も優勝できたな、と感心する。
何にせよ、負けは負け。次はリーグ戦、28日にアウエーの鹿島か。体もシンドいかもしれないけど、もう少し動けよ。
あと一歩 動けよ止めろよ 鹿島戦
しかし、それにしても浦項は強かった。
山中伊知郎
1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後30年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。2021年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2022』(飯塚書店)が好評発売中。
代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、8月、テレビの夢グループCMで、石田社長の横で「社長~! 安くしてエ~!」の甘え声でお馴染の歌手・保科有里の『愛人!? 困っちゃう・・・』という本を出す。秋には、タブレット純とエド山口の対談本を出す予定。
11月27日(月)、東京都江戸川区のタワーホール船堀・小ホールで『ちょっと昭和なヤングたち90回スペシャル』も開催。入場料は2000円ながら、地元の江戸川区民は500円割引して1500円。