東北地方の天候を決める 2つの高気圧の行方
天候不順の要因になる「オホーツク海高気圧」
先週、東北地方の太平洋側は、この時季としては気温が低く、日照時間も極端に少なくなりました。これは、明瞭な「オホーツク海高気圧」が現れたためです。この高気圧が現れると、東北地方の太平洋側には冷たく湿った空気が送り込まれ、何日も曇天や低温が続くことになります。そのほとんどが、春の後半から夏にかけて現れ、夏の天候不順の要因にもなる、少々厄介な高気圧です。
オホーツク海高気圧は不確実性が大きい
きのう5月25日、気象庁から、6月~8月、いわゆる夏の3か月間の長期予報が発表されました。
前回の3か月予報では、6月はオホーツク海高気圧がやや現れやすいとされましたが、今回の予報ではその可能性が若干低くなり、6月の東北地方の気温は高温側に修正されました。ただ、可能性がなくなったわけではありません。シグナルが弱くなったぶん、不確実性が大きくなり、傾向が掴みづらくなったといえます。
そもそも、オホーツク海高気圧がいつ現れるかの予測は、長期予報では非常に難しく、2週間くらい前にならないと明瞭なシグナルが出てきません。兆候を掴むためには、毎週木曜日に発表される1か月予報をこまめにチェックしていくことが大切です。
太平洋高気圧は梅雨明け後に強まる?
もう一つ、夏の天候を決めるのが「太平洋高気圧」です。太平洋高気圧の北への張り出しが強くなれば、当然、夏は暑くなります。ポイントになるのが、フィリピン周辺の対流活動です。この付近の対流活動が活発になると、その上昇流が、日本付近に下降流となって降り、太平洋高気圧を強める働きをします。
今年は、7月までは不活発で、8月になると徐々に活発化する傾向で、太平洋高気圧が次第に強まる予想となっています。どこまで北に張り出してくるかは、まだ不確実な部分が大きいですが、梅雨明け後は厳しい暑さが来ることは覚悟しておく必要があるといえそうです。