ニューレディー・ラボ バーチャル読書会 ローマ人の物語 イントロダクション
なんで今更、古代ローマを取り上げた「ローマ人の物語」を読書会のテーマに取り上げるのか?
そう問われたら、私はこう答える「私が今必要だと思ったから」。
コロナ禍、世界情勢の不安定化、東アジアの勢力の均衡が崩れる中で、日本は少子高齢化、IT化の遅れ等国力の衰えが指摘されている。外交、内政ともに課題が山積しているが、人の考えていること、人の思いというのは歴史を超えて変わらないように私は思う。
古代ローマはヨーロッパのイタリア半島の中部から発祥し、ヨーロッパ全域と北アフリカやメソポタミアまで勢力を伸ばした巨大な帝国であった。日本人と何の関係があるのかよという意見があるかもしれないが、私には共通点が沢山見えた。
今、世界中がイタリア人に抱くイメージからは信じ難いが、古代ローマは勤勉で、信義を重んじ、不器用ながらも寛容さと開放的、外交的な特質を持ち、八百万の神の存在を受け入れた。発祥のイタリアは地中海や港湾都市のイメージが強いけど、実際は山がちな国土である。気候も地中海性気候もあれば、北部や山岳地帯は雪も降り、温度帯も日本と近い条件だと思う。ヤマザキマリさんのマンガ「テルマエ・ロマエ」にもあったように火山国のため温泉が湧き、公衆浴場もあり、日本と共通するところが本当に沢山ある。だからその私たちに近い感覚を持った民族の繁栄も没落も学ぶところが沢山あるのではないかと考えた。
私は古代ローマの歴史から学んだ教訓をこれからの大変な時代を生き抜く際の自分の背骨に据えたかった。大変とは変化が大きいと書く。考えようによっては凄く面白い時代だ。できれば面白がって変化を楽しみたい。それには大事業や大変革を沢山経験して、乗り越えてきた古代ローマの人々の知恵や営みを知るのが欠かせないように私には思えた。
参照する本は塩野七生先生の書く「ローマ人の物語」だ。塩野七生先生は高校生の頃にヴェネツィアの興亡を描いた「海の都の物語」からハマり、中世イタリアのチェーザレ・ボルジアやマキャヴェリについての本も読んだ。地中海周辺を舞台にする歴史書では一番私にとって読み易く、内容も腹落ちする良いものばかりだった。その歴史書から紡ぎ出される考察や教訓は私の人生観、判断基準に大きく影響を与えた。
実はこの「ローマ人の物語」シリーズも学生時代にユリウス・カエサルの所までは既に読んでいる。塩野先生もそうだが、カエサルが好き過ぎてアウグストゥスは優秀だけどつまらなくて、カエサルの熱狂を閉じ込めておきたかった私はそこで読むのを止めてしまった。中途半端なままの私の古代ローマに関する知識を今確かなものにしたかった。そしてこのニューレディー・ラボの研究員の多くを占めるJJ(上品な熟女)達のターゲット(目標)としても塩野先生は格別の存在であると考えた。あんなJJに私もなりたい。だから塩野先生の代表作の読破を最初のニューレディー・ラボの課題に据えた。
ニューレディー・ラボの読書会では本に書かれている考察の素晴らしさや、大まかな歴史の流れ、登場人物の整理をしていきたいと思う。私も再び読み始めて気が付いたのだが、登場人物の名前がカタカナで覚えにくい。いちいちページを戻って確認することのないよう、著作に出てくる主な登場人物もピックアップしてここで取り上げていきたい。
私が今、必要としている情報はきっとニューレディー・ラボの研究員達にも役に立つと信じている。実際にまだ1巻の読書会までしか実施していないが、既にその考察は私の判断基準として役立っている。この文章はイントロダクションなので、登録がなくても多くの人に読めるような形にしている。興味を持った方はぜひニューレディー・ラボをぜひご購読いただきたい。全部読破できたらラボ研究員達とのイタリア旅行も皆で計画したいと思う。このコロナ禍で旅行にはすぐに行けないから、その期間に時間をかけて、勉強するというのは良い機会だと思う。時間をかけて学んだ後の旅行は気付きも多く、格別になるだろう。人生でこれほどの贅沢はないと私は思っている。
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