列島「経験ない暑さ」 東京30度超の夜
猛暑、炎暑、酷暑、極暑・・・この暑さをどう表現したらいいのでしょう。
昨日(10日)は山梨・甲府市と高知・四万十市で40.7度を記録し、国内では2007年8月以来、6年ぶりに40度超えました。今日(11日)も朝から異常な暑さで、2日続けて40度超を記録しました。2日続けて40度を超えたのは過去、2007年と2004年だけです。先日、気温40度の壁は高くそびえ立っている書きましたが、昨日、今日とやすやすと越えてしまい驚いています。
気温40度超は東日本が8割
日本歴代の最高気温の記録をみると、40度以上の観測延べ日数は25日(群馬・館林市、埼玉・越谷市、山梨・甲府市、岐阜・多治見市,高知・四万十市では40度の記録が複数あり)です。県別では群馬県が最も多く、延べ5日、次いで山梨県の延べ4日、岐阜県と埼玉県の延べ3日です。東日本が全体の8割を占め、暑さが厳しいと思われる九州や沖縄では40度以上の記録はありません。著しく高い気温は連日の暑さや強い日差しのほかに複数の条件が重なることが必要です。とくに、40度の記録が東日本に集中するのは、非常に背の高い高気圧が西日本に位置することで、東日本では北寄りの風によるフェーン現象が卓越し、気温を押し上げるのです。
東京都心、最低気温は30.9度
今朝(11日)の東京都心(大手町)の最低気温は30.9度(5時41分)でした。昨夜から今朝にかけて、一度も30度を下回らなかったのです。昨日(10日)6時30分に30度を超えて以来、30度以上の継続時間はすでに30時間を超えました。過去、2007年と2004年に30度以上の継続時間が40時間という記録が残っていますが、今日(11日)このまま気温が下がらなければ、「これまでに経験したことのないような暑さ」(日最低気温の高い記録)となります。
30度以上の継続時間は20年前の1.5倍
気温40度を「瞬間的な暑さ」とすれば、気温30度の継続時間は「持続的な暑さ」と言えるでしょう。気象庁の調査報告によると、30度の年間積算時間数は群馬・前橋市で年間351時間、埼玉・熊谷市で年間396時間、東京都心で年間345時間となっていて、20年前と比べると約1.5倍に増加しています。温暖化に加えて、都市化が影響し、市街地では夜間の気温が高いことが特徴にあります。
長引く猛暑、電力需給は厳しい公算
猛暑の原因となっている高気圧はしばらく、日本列島に居座る見込みで、うだる暑さは少なくとも、あと一週間は続きそうです。2010年は過去113年間で最も暑い夏と形容されましたが、まさか3年後に再び、似たような状況になるとは。この夏の電力の需給見通しは2010年を想定しているそうですが、猛暑で企業業績は上振れする可能性が高く、節電疲れ、熱中症による冷房需要も高くなるでしょう。今週はお盆休みとはいえ、厳しい電力需給が予想されます。
【参考資料】
気象庁「ヒートアイランド監視報告(平成17年夏季・関東地方)」
日本経済新聞「電力使用率、お盆も9割超」 2013年8月10日朝刊
【追記】 8月12日
11日の東京の日最低気温は30.4度(23時49分)と、1876年の観測開始以来、初めて30度を下回りませんでした。東京の気温30度継続時間は10日6時30分から12日1時20分まで、約43時間でした。