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近年は暑いこどもの日が増加中、鯉のぼりもぐったり?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
富士山と鯉のぼり(写真:イメージマート)

こどもの日は関東以西で25度以上の夏日

5月5日(木)こどもの日の天気と予想最高気温、気象庁発表
5月5日(木)こどもの日の天気と予想最高気温、気象庁発表

5月5日(木)はこどもの日です。

関東以西では晴れて、平年より高い25度以上の夏日となる所が多く、東京都心26度、大阪25度、福岡25度などが予想されています。

こどもの日といえば、すがすがしい晴天の下、鯉のぼりが気持ちよく泳ぐというのが定番の姿でしたが、近年の温暖化や都市化の影響で、気温の上昇傾向が続く中、こどもの日も例外ではなく、以前よりも暑いこどもの日が増えているようです。

暑いこどもの日が増加中

東京都心の5月5日の最高気温(筆者作成)
東京都心の5月5日の最高気温(筆者作成)

こどもの日は1948年に制定されたとのことですが、それ以前も含め、5月5日の東京都心の最高気温を調べたものが上図です。

25度以上の夏日の出現日数をみてみると、観測が始まった1876年から2000年までの125年間で11日だったのに対し、2001年から2021年までの21年間では8日もあり、むらはありますが、この20年ほどは以前と比べて4倍強の出現率となっています。

また観測が始まってから30年ほどは20度にも届かないような涼しい日が多くありましたが、この20年ほどは数える位しかありません。

こどもの日といえば、以前はすがすがしい陽気というのが代表格だったのですが、近年は暑いこどもの日へと感覚が変わってきているようで、今年のこどもの日も、東京都心の最高気温は26度の夏日が予想されています。

ちなみに上図の中で、飛びぬけて高くなっているのが1959年のこどもの日で、最高気温は実に31.0度まで上がり、これは東京都心の真夏日の最早記録ともなっています。

当時はあまりにも暑いこどもの日ということで、かなり話題にもなったと察しますが、なぜこのようなビックリする高温記録が出たのでしょうか。

1959年5月5日に真夏日となった理由

1959年5月5日9時の実況天気図(国立情報学研究所より)
1959年5月5日9時の実況天気図(国立情報学研究所より)

今から63年前、1959年5月5日午前9時の実況天気図をみると、本州付近には長々と前線がのびており、この前線に向かって日本の南から季節外れの暖かな空気が流れ込んでいました。

おそらく箱根や丹沢を越えてくるような暖かい南西の風がさらにフェーン現象を起こし、大きく気温が上昇したのではないかと思われます。

ちなみに31.0度まで上がった翌日の5月6日は前線が通過し、北から涼しい空気が流れ込んだため、最高気温は20.7度と10度以上も下がっていました。

大阪のこどもの日は?

大阪の5月5日の最高気温(筆者作成)
大阪の5月5日の最高気温(筆者作成)

大阪のこどもの日の最高気温は上図です。

25度以上の夏日の出現日数を調べると、観測のある1883年から2000年までの118年間で16日だったの対し、2001年から2021年までの21年間では10日もあり、こちらも以前と比べて、この20年ほどは4倍弱の出現率となっています。

福岡のこどもの日は?

福岡の5月5月の最高気温(筆者作成)
福岡の5月5月の最高気温(筆者作成)

福岡のこどもの日の最高気温は上図です。

25度以上の夏日の出現日数を調べると、観測のある1890年から2000年までの111年間で24日だったのに対し、2001年から2021年までの21年間では8日となっており、東京都心や大阪ほど顕著ではないものの、この20年ほどは以前と比べて2倍弱の出現率となっています。

この先も気温の上昇傾向が続けば、鯉のぼりもぐったりしてしまうような暑いこどもの日が今にも増して出現することになるかもしれません。

参考:国立情報学研究所

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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