賛否両論・どうする家康 隠しテーマをどう考える?
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【どうする家康】ゆかりの地(城・古戦場)一覧と旅行モデルコース(とらべるじゃーな!)
愛知(岡崎城)や静岡(浜松城、駿府城)などを舞台に展開する、NHK大河ドラマの「どうする家康」。旅行ファンにも人気の番組です。
次回(第25回)の予告に、意外な内容がありました。
瀬名(家康の正妻)が、五徳に命じて、自身を悪女だと訴える手紙を書かせるという内容です。
この手紙(12ヵ条の訴状)は史実ですが、瀬名が五徳に指示して書かせたという内容は、初見であり、大変驚きました。
これまで五徳( 家康の子である信康の妻)は、瀬名といがみ合う場面もあり、どちらかと言えば悪役として描かれていました。
しかし、最終的には瀬名の計画に賛同し、手紙を書いたのは、瀬名を告発するためではなく、全ての責任を負い、ほかの者を守ろうとする瀬名の意向に沿ったものだというのです。
一転して、五徳は、悪者ではなくなりました。
どうする家康の第20回「岡崎クーデター」。岡崎城の家臣である大岡弥四郎(演・毎熊克哉)に、武田に内通する謀反が露見しました。
家康を中心に描いた物語では、大岡弥四郎は、本来は完全な悪役です。
しかし、先が見えない戦いが続き疲弊した、仲間の思いを代弁した大岡の主張が客観的に取り上げられ、腐すようなシーンが全くなかったのは印象的です。
その後、岡崎城に近い大樹寺では、家康にとって叔父であり功労者でもある、水野信元が、信長や家康の意向により、命を落としました。
水野信元に落ち度はなかったという見方も強く、今度は家康自身が「悪役」とされても仕方ない場面でした。
しかし、家康は終始無口を貫き、歴史の流れや力関係のなかで、そう判断せざるを得なかったのだろうと、視聴者に考えさせる構成でした。
物語には、どんなに長編であっても、1つのテーマがあります。どうする家康では、弱き家康が仲間(家臣団や領民)の助けを得て成長する物語です。しかし、もう1つ、隠しテーマがありそうです。
それは、結局のところ誰も悪くない、各々が、その時々を生き抜くために、そう判断せざるを得なかったのだ。根っからの悪者はいない、というものではないでしょうか?
つい先日、犀ヶ崖古戦場の資料館で歴史に詳しい案内人に話を聞くと、全くの同意見で、古沢良太さんの斬新な脚本を評価されていました。
しかし、戦国時代の実際の人間模様は、もっとギスギスしていたのではないか、という本音も聞かれました。
大河ドラマ「どうする家康」は、歴史マニアや時代劇ファンからの評価は分かれています。しかし、番組として新たに開拓したい若い人たちには、悪者はいない、どうであれ互いに尊重すべきという価値観があると言われます。
築山殿を祭る西来院(浜松市)には、多くの若い方が訪ねて来ていたのが、印象的でした。
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どうする家康同様、番組全体を1テーマで貫くことで知られるのが、同局のブラタモリです。全体として、傾斜に注目すれば旅はもっと面白くなる、が貫かれており、その編集は高い評価を得ています。
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