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台風17号発生 来週前半にかけて北上

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
28日(日)の雨と風(矢印)の予測。まだ位置やコースは予測に幅がある。

24日夜、台風17号が発生しました。今後は発達して、日本に接近した16号より強い勢力になる見通しです。来週前半には、本州の南まで北上する可能性があります。

17号は16号より強くなる

台風17号が発生したのは、サイパンなどマリアナ諸島~南鳥島の南。海水温が30℃前後と高く、台風が発達しやすいうえ、日本列島付近に北上するまで距離があるため、成長する時間が十分にあります。

台風16号は、フィリピン、台湾、中国と陸地の近くを通り、徐々に形を崩していきましたが、17号は陸地に邪魔されません。海上で大量の水蒸気を得て、16号より強く成長する可能性が濃厚です。

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

東へそれるか?接近か?

台風は上空の西風に流され東へ。カーブまでに、どれだけ西へ進むかが今回のポイント。
台風は上空の西風に流され東へ。カーブまでに、どれだけ西へ進むかが今回のポイント。

台風17号は、現時点では、各国の気象機関によるシミュレーションで、小笠原諸島付近を通り、来週前半に本州の南海上まで北上することが計算されています。

ただ、予測にはまだバラつきがあります。陸地から少し離れた所を東へそれるデータがやや目立つ一方、陸地への接近を計算しているデータもあります。

台風16号を見ても分かるように、この季節の台風は日本付近まで北上すると、上空の強い西風に流されて、東へ急カーブします。そのカーブをするまでに、どこまで西へ進むかが、今回の台風のポイントです。

意外と多い「予報円大=台風大」の勘違い

台風17号の予想進路図(24日午後9時)。予報の幅が大きいため、予報円が大きい。
台風17号の予想進路図(24日午後9時)。予報の幅が大きいため、予報円が大きい。

おそらく17号は、予報円の大きい状態がしばらく続くでしょう。台風の予想進路のバラつきが大きいほど、予報円は大きくなります。

予報円が大きくなるのを、「台風が大きくなる」と勘違いしている人は意外と多くいます。予報円の形式になって30年以上もたっていますが、この誤解はなかなかなくなりません。

技術的には、台風が進む場所を確率によって濃淡で表すなど別の方法も可能です。本当に今の予報円の形式がベストなのか、考え続けていく必要があります。 

なお、そのような予報円を使った一般向けの台風予報を出せるのは、気象業務法により気象庁だけです。

気象予報士による動画解説(Yahoo!天気・災害)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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