【丸亀市】有機野菜など地元の素材にこだわった弁当の店 ”讃岐もち豚”のトンカツが人気
讃岐もち豚や有機野菜など、地元の美味しい素材にこだわった弁当店が香川県丸亀市田村町にある弁当屋「YOTECO.(ヨテコ)」です。トンカツなどの定番弁当と予約制の惣菜弁当を展開しています。コロナ禍の2021年8月にオープンし、2周年を迎えました。弁当に込められている店主の思いを取材しました。
サクサクのトンカツ弁当
サクサクに揚がったトンカツを頬張ると、豚肉特有の臭みはほとんどありませんでした。「香川県内で、8軒でしか飼育していない”讃岐もち豚”を使っています。品評会で連続金賞を受賞している美味しい豚肉なんですよ」。店主の辻裕一さんがとんかつ弁当を作ってくれました。
子供の頃、畜産農家で育った辻さんは、豚を飼育する大変さがわかると言います。「できるだけ良い素材を使って、食べる人と作る人をつなぐ役割を弁当屋として果たしたいと思っています」と話しました。
讃岐もち豚は、肥育日数を他の国産豚よりも長く設定しており、ストレスの少ない環境下で育てられているそう。そのため、豚肉の油特有の臭みがほとんどないとのこと。辻さんは、「美味しい豚肉を知ってほしい」という思いで、オープン以来ずっとトンカツの素材に使っています。
ヨテコの定番弁当は、とんかつ弁当(926円)を筆頭に9種類です。かつ丼(926円)、焼きサバ弁当(880円)などが並びます。からあげ弁当(926円)も人気で、国産鶏肉を使ってボリューム満点に仕上げているのが自慢です。
また、硬いものを食べにくい高齢者には、豆腐ハンバーグ弁当(880円)がおすすめだそう。箸で切れる柔らかなハンバーグに自家製ソースがたっぷり。オリーブ地鶏と豚肉のミンチに豆腐を混ぜて作っています。
辻さんは「高齢者や子供さんが食べてくれることも多いので、薄味に仕上げるようにしています」と話していました。
店内には、お客さんに好きな味噌汁の具材をアンケートするボードが設置されていました。豆腐が一番人気でしたが、このアンケート結果は実際に味噌汁の具として採用しているそうです。お客さんとの対話を大切にしたいという気持ちが表れているようでした。
予約制の惣菜ヘルシー弁当
ヨテコには定番弁当の他に、夕方から販売する予約制の惣菜ヘルシー弁当(900円)があります。ごはんは別付で、毎日惣菜の内容は変わるのですが、取材した日のメニューは、天ぷら、ごぼうサラダ、小松菜のおひたし、ナスの味噌炒め、里芋の唐揚げあんかけ、ナスの麹漬けでした。
惣菜に使われている野菜は、地元の有機野菜を中心に使っています。届いた野菜の内容からメニューを考えているそうです。「自宅の畑から新鮮な野菜を採ってきて、それを料理して提供するような感覚で作っています。地元に有機野菜を栽培している農家さんがいたので、とても助かりました」と辻さん。お客さんには、少しずつ、こだわりの素材を作っている弁当店としての認知度も高まっているそうでした。
「夫婦2人の四つの手で」
店は、辻さんと妻のよしかさんの2人で切り盛りしています。本当は飲食店を手掛けたかったそうですが、コロナのため断念。持ち帰りできる弁当店を選択しました。店名には、「夫婦2人の四つの手で頑張っていこう」という思いが込められているそうです。
2023年9月からは、店内の一部をレンタルスペースとして貸出を開始しました。雑貨を販売してもらったり、作品の展示会場として使ってもらうことを想定しています。「店の一角を地域の雑貨作家さんの紹介場所に使ってほしい」という思いからスタートしました。料金は、売上の一部から支払ってもらう仕組みで、詳しくは辻さんと要相談だそうです。
「手作り感のある弁当を」
辻さんは「手作り感のある弁当を提供して、飲食店で味わってもらえるような食事を提供することを目指しています。将来は、産直に弁当を置いてもらえるようになりたいですね」と夢を語っていました。
地域の人に愛される拠点として、弁当店の姿を思い描く辻さん夫妻。その優しさがじんわり伝わってきました。
基本情報
名称 : 弁当屋「yoteco.(ヨテコ)」
住所 : 香川県丸亀市田村町1271-1
アクセス : JR丸亀駅から車で7分程度(駐車場あり)
営業時間 : 午前10時から午後7時
定休日 : 毎週日・月曜日
電話番号 : 0877-85-7244
公式サイト