「格上げ大会」2度目の欠場で4億円の権利喪失、ローリー・マキロイに一体何があったのか!?
PGAツアー選手の代表格のような存在である北アイルランド出身のローリー・マキロイ(33)が、受け取るはずだったボーナス300万ドル(約3億9697万円)を「受け取る権利を失った」ことが、米ゴルフチャンネルや米スポーツイラストレイテッド誌によって報じられ、米ゴルフ関係者の間に動揺が広がっている。
先週のマスターズ(4月6日~9日)で予選落ちを喫したマキロイは、翌週のPGAツアーの大会、RBCヘリテージ(4月13日~16日)へのエントリーを取り下げ、理由を告げずに欠場を表明した。
問題は、そのRBCヘリテージが、今季からPGAツアーが実施している賞金総額2000万ドル級の「格上げ大会」の1つであるという点だ。
「トッププレーヤー」と定義されているランキング上位の選手は、今季からはシーズン内の「格上げ大会」全12試合(注:メジャー大会、プレーヤーズ選手権以外)への出場が義務づけられている(例外として1試合のみ欠場可)。
そして、例外1試合を除いた「格上げ大会」すべてに出場することが、昨年のPIP(プレーヤー・インパクト・プログラム)で得たボーナス金を満額で受け取るための必須条件とされている。
マキロイは、今年1月にハワイで開催された「格上げ大会」のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズをすでに欠場していたにもかかわらず、さらにRBCヘリテージを欠場したことで、格上げ大会への出場義務を怠ったとみなされ、昨年のPIPによるボーナス金の一部を受け取れないことになった。
PIPは、選手の人気度や認知度、露出度といったものをランキング化し、上位者にボーナスを支給する制度で、昨年は総額100ミリオン(1億ドル)がトップ20の選手に支給された。ランキング1位になったのはタイガー・ウッズで1500万ドル、マキロイは2位になり、1200万ドルが支給されることが決まっていた。
PGAツアーのガイドラインによれば、このボーナスは2段階に分けて支払われ、額面の75%は1月のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ後、残りの25%は「格上げ大会」全試合終了後とされている。
この方式に当てはめると、マキロイには、すでに1200万ドルの75%に当たる900万ドルが1月時点で支払われたと見られているが、残りの25%に当たる300万ドルは、RBCヘリテージを欠場し、格上げ大会を2度スキップしたことで「受け取る権利を失った」ことになる。
だが、米ゴルフ界関係者やファンが衝撃を受けているのは、マキロイが300万ドルをもらえなくなったという事実より、むしろ「なぜ、マキロイはRBCヘリテージを欠場したのか?」「なぜ、格上げ大会を2度もスキップしたのか?」という点だ。
現状では、マキロイからは欠場理由は一切明かされておらず、SNSでは「ケガや病気なら仕方がない」と心配する声が上がっている一方で、「マスターズで予選落ちしたショックを引きずっているのでは?」と批判的に見る向きも多い。
そもそも「格上げ大会」は、リブゴルフへの対抗策として、「PGAツアーのトッププレーヤーが勢揃いする大会を作り出すべきだ」と主張したウッズやマキロイ、そして選手会からの強い提案をPGAツアーが聞き入れ、制度化したものだ。
それなのに「発案者」「言い出しっぺ」であるはずのマキロイが、誰よりも先に規定を破り、格上げ大会を2つ欠場して、ボーナスを受け取る権利を失ったというこの現実を、PGAツアー選手や周囲の関係者、そしてファンは、どう理解し、どう受け止めたらいいのか。
動揺や憶測が広がる中、マキロイ自身からの説明が待たれる。