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STAYC 新曲「LIT」の意味をメンバー本人たちと掘り下げてみたら出てきたこと

STAYC UNIVERSAL MUSIC JAPAN

日本語と韓国語が入り交じる歌詞もまた、印象的だ。

12月7日、前日に日本オリジナル曲「LIT」をリリースしたばかりのSTAYCに都内で会った。

スミン、シウン、アイサ、セウン、ユン、ジェイの6人で構成されるガールズグループは、2020年11月に韓国でデビューし、2022年11月には日本でもデビュー。今回の「LIT」は日本で通算3曲目のシングルリリースとなる。

それはどんな思いが込められた楽曲なのか。今回、「ある資料」を本人たちにぶつけつつ、韓国語で話を聞き出した。

ヤバい、サイコーという意味のタイトル

―12月6日に日本での3rdシングル「LIT」が発表されました。その魅力についてお聞きしましょう。まず気になるのが「LIT」の読み方です。(韓国式の発音だと)「リッ」? それとも「リトゥ」?

メンバー:「リッ」です。

ユン:曲のタイトルの読み方も「リッ」なんですが、日本語の歌詞の中での内容は「リット」ですね。日本語で言う場合は「リット」が言いやすいのではないででしょうか。

ユン UNIVERSAL MUSIC JAPAN 
ユン UNIVERSAL MUSIC JAPAN 

―では、この楽曲についての説明をシウンさんにお願いします。あ、ちなみに先日、韓国で出演されたYouTube「パンモクチャ」、めっちゃ面白かったですよ。

シウン:はい。まず、今回の”LIT”はヒップホップサウンドをベースにしていますが、ヒップホップであると同時に、非常にキャッチーで中毒性があり、楽しげなメロディが含まれています。ですから、HIPでありつつ明るい、この二つの魅力を同時に感じることができます。そしてLITという言葉は(日本語で)ヤバい、サイコーという意味なんですが、聞いてくださる方々の日々の生活がLITになりますようという意味を持っている曲です。

韓国語版の「LIT」公式説明を彼女たちにぶつけてみた

―確かに、歌詞はSTAYCが可愛らしくリスナーをリード。そんな印象ですね。で、今日は…このインタビューに際し秘密資料を準備しておきました。

メンバー:えーっ?

―あ、はい。韓国本社から発行されている「LIT」のプレスリリースです。これ、すごく詳しく書かれていて内容がとてもよい。これを見ながら「LIT」を解説して下さいますか?

メンバー:わあ~

スミン:アンダーラインまで引いてくださって…。

まったく秘密資料ではありません
まったく秘密資料ではありません

―まず、「LITに自分らしく人生を楽しもう」という説明があります。もう少し、LITという言葉について説明をお願いします。

シウン:一番だ。すごい、やばい、そういう感じですよね。

スミン:自分自身が一番…なんというか…そうと思おうとすること、という意味も含まれていますね。これは私たちの最近の楽曲とも繋がる部分があるんですが、どんな状況でも自分らしく生きていって、良い方向に考えていこう。そういうニュアンスです。

スミン UNIVERSAL MUSIC JAPAN
スミン UNIVERSAL MUSIC JAPAN

シウン:結局は「LOVE MYSELF」なんだと思います。それぞれが、すごくかっこいから、という。

韓国トレンド用語「HIP」とSTAYC

―うおっ それはきっと辞書を調べても出てこない内容ですね。次にお聞きしたいのは… 「HIPだ」という言葉です。今回の資料の中にも何度か出てくるんですよ。これ、実はK-POPの曲解説でも頻出ワードです。韓国でのトレンド用語であるようにも思えます。どういう意味なんですか?これ、LITと似た意味なんですか?

ユン:違いますね。HIPというのは、言葉どおり、音楽のジャンルですね。言葉通り、ご存知のHIP HOPです。

スミン:今回の「LIT」の楽曲のベースが、HIP HOPで多く使われる808ベースにビートが入ってきているんです。これまで私たちが多く見せてきた曲とちょっと違う感じのビートなので、HIPHOPという意味で「HIPだ」という意味が入っているんだと思います。

―おっ。韓国のトレンド用語としてもよく出てくるこの「HIP」、じつはこちらでも辞書で調べてみました。「環境を考慮していて、それでいて自分だけのスタイルが主張できる」っていう意味のようなんです。合ってます?

シウン:「私たちだけの主張」という意味は合っているように思います。でも「環境に優しい」というイメージはちょっとないですね…

シウン UNIVERSAL MUSIC JAPAN
シウン UNIVERSAL MUSIC JAPAN

スミン:確かに今回のプレスリリースでは「HIP HOP」という意味なんですが、韓国では普段も「HIPだね」あるいは「SWAGだね(心を揺り動かすね=カッコいい)」といった言い方をします。

セウン:なんというか「いい感じがする」といったところですね。

スミン:主張をはっきりとできる、自信に溢れているという対象に対して「HIPだ」という反応が出てくると思うんです。だから「HIPだ」というのはカッコいいんですよ。

「LIT」で見せるSTAYCの変化

―じゃあ、この資料には他にも「STAYCのHIPな変身」という表現がありますが、これもHIP-HOPという文脈でしょうか。

ユン:そうですね。いずれにせよこれまで私たちは何だか可愛くて、やわらかいイメージをお見せしてきたんですが、今回の「LIT」での活動を通じ、少しHIPでかっこよくて、未来はいつも自分のものだと言える、そういう姿に変身しました。

―デビュー直後は可愛らしい楽曲をやっていた。でもちょっと変化が起きている。

スミン:もうちょっと付け加えるとしたら、私たちはデビューの時からずっとボーカルメインの楽曲を多くお見せしてきたんですが、今回のLITは本当に強烈なボーカルにサウンド的にも豊富な音が入っているんです。そこが大きな変化だと思います。

―(資料、もうちょっと進んで)資料の中にある、STAYCについての表現として「柔らかいカリスマ」があります。これはどういう意味で?

ユン:前から、こういうコンセプトもあるにはあったんですよ。なぜなら『Teddy Bear』という曲もそうですし『Bubble』もそうですが、かわいらしくて愛らしい曲のなかに、じつはちょっと「自分らしく過ごしていますか?」とアラートをする内容が含まれる歌詞だったからです。だから「柔らかいカリスマ」でありたいな、と。

―言いたいことを言っても、率直に言っても、憎まれないように伝えよう。そういうイメージですか?

アイサ:時に周りの言葉に耳を傾けずとも、自分らしくあろうというメッセージも含まれているんですよ。それを可愛らしく表現したいな、と思っています。

アイサ UNIVERSAL MUSIC JAPAN
アイサ UNIVERSAL MUSIC JAPAN

―それを可愛らしく伝えられるのは、STAYCだけ! そういうことですね。

セウン:はい!そうですね。それは大きいです。

スミン:イメージは明るく、爽やかでありたいなと思っています。

プロデューサーのブラックアイド・ピルスンへの感謝

―では、STAYCの今後のスケジュールはどうなっていくでしょうか? 明るいキャラクターでも知られるセウンさん、記者である私がスクープを書けるようにお話下しさい。ウソウソウソウソウソ。お気軽に。

セウン:まず、今は日本での「LIT」がリリースされたばかりなのですが、韓国では年末のステージや授賞式シーズンなので、それらに取り組ませていただきながら、予定されているアジアツアーも進行していきます。その後に…韓国でのカムバックが…。

セウン UNIVERSAL MUSIC JAPAN
セウン UNIVERSAL MUSIC JAPAN

―おおおおおおっスクープ情報?

スミン:韓国でのカムバックはいつかやるんじゃないかと。まだ決まっているものはないですが、ずっとデビューしたときからレコーディングをやったり準備をしたりというのはやってきてるんで、どこかで韓国でのカムバックはありますよ。私たち、楽曲はとても多いんです。

―ピルスン先生のおかげですね。メンバーたちにとってどんな存在ですか? 最後に感謝の言葉をお願いします。

ジェイ:語り尽くしてもまだ尽きない。そういう存在ですね。まずは何より頼もしいです。いい曲をたくさん提供してくださいますし、私たちのことをつねに考えてくださり、曲を書いてくだいます。本当本当に本当に感謝しています。私たちにとって家族のような存在だと思っています。

ジェイ UNIVERSAL MUSIC JAPAN
ジェイ UNIVERSAL MUSIC JAPAN

実は彼女たちのデビュー前に、プロデューサーのブラックアイド・ピルスン氏に複数回インタビューしたことがある。TWICEの「TT」など初期のタイトル曲の多くを手掛けたことでも知られる存在だ。後にSTAYCとして世に出るグループについて、「全員センター級の破格的グループ」という表現をしていた。破格的、というのは彼女たちの独自のコンセプト「ティーンフレッシュ」だったんだろうな、と後に知る。

今回、彼女たちに会うにあたって「ティーンフレッシュって何ですか?」と聞こうとしたが、やめた。それは野暮だった。そんなこと、後になって振り返るものであり、今は彼女たちが等身大で悩み、それを自分らしく突き破ろうとする姿から滲み出てくるものなのだ。いわば自然体。

この日、インタビュー時間がじつは30秒ほど余った。最後に聞いた質問からの答えでも、自然体の様子がよく分かった。

―日本について興味のあること、知りたいこと、30秒間でどんどん教えてください。

シウンが言った。

「日本のファンの皆さんは、STAYCのどんなところが好きですか?」

かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。ファンの皆様、どう思いますか?

(了)

インタビュー前編:STAYC 東京で語った「日本であれ食べたい!」「いつも日本のファンに感激すること」

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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