夢を見ながら歩き回る!?睡眠中の異常行動「レム睡眠行動障害」とは?
睡眠障害の1つである「レム睡眠行動障害」を知っていますか?名前の通り、レム睡眠中に現れる行動障害です。夢を見ながら声を発したり体を動かしたりすることから、身体に危険が伴う可能性もある症状です。
・レム睡眠行動障害とは
睡眠中に夢の中と同じ行動をとってしまう症状がレム睡眠行動障害です。
睡眠にはレム睡眠、ノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠では、脳は働いている状態、身体は休息している状態で、起きたときに夢を覚えているのはこのレム睡眠中に見た夢といわれています。
通常、レム睡眠中は体の筋肉が緩んでいる状態のため、基本的に体の動きはありません。しかしレム睡眠行動障害では、夢の中の行動がそのまま体の動きとして現れます。
原因はいくつか考えられ、睡眠不足やストレス、薬の副作用などにより発症する可能性もあれば、神経系の疾患や、神経系の何らかの異常により引き起こされる可能性もあるといわれています。
発症は50代以降の男性に多いですが、子どもから高齢者まで誰でも起こりうる可能性のある症状です。
・レム睡眠行動障害の特徴
❶大きな寝言や叫び
睡眠中に一般的な「寝言」を言うことは多くの人に経験があるかもしれませんが、レム睡眠行動障害では大声で叫んだり、ストーリーのある寝言を言ったりという特徴があるとされています。この寝言は夢の内容と一致しているようです。
❷手足を動かすしぐさ
通常、レム睡眠中には筋肉が緩んでいる状態ですが、レム睡眠行動障害では手足を動かす動作がみられます。怖い夢や何かに襲われるような夢を見ている場合、殴ったり蹴ったりといった動作がみられることもあります。壁に手足をぶつけて怪我をする可能性もありますし、ベッドパートナーを怪我させてしまう可能性もあるので注意が必要です。
❸起き上がって歩き回ることも
ベッドから出て歩き回ったり、壁や家具を蹴ったり、食べ物を食べたりといった行動をすることもあります。これらの行動は夢の内容と一致しているといわれています。
窓から飛び降りるといったことをする可能性もあるので、注意が必要です。
さいごに
レム睡眠行動障害の症状には個人差はありますが、攻撃的な行動をとってしまうことから、自身もベットパートナーへも危険を及ぼす可能性があります。
医療機関への受診が必要ですし、室内での怪我や転倒を防ぐために、パートナーとは距離をとれる環境を作る、低いベッドを使用するなどの室内の工夫も大切です。自身の健康と、周りの人の健康も守りましょう。