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【注意喚起】カリフォルニア州、13歳未満へのアンチエイジング化粧品販売禁止へ!子どもの肌への影響は?

大塚篤司近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授
(写真:アフロ)

今回は、カリフォルニア州で13歳未満の子どもへのアンチエイジング化粧品販売を禁止する法案が提出されたというニュースをご紹介します。

近年、SNSの影響で、レチノールやヒアルロン酸などの成分が配合されたアンチエイジング化粧品を使う子どもが増えています。いわゆる「セフォラキッズ」と呼ばれる現象です。しかし、こうした成分は大人の肌を想定して開発されたものです。子どもの敏感な肌に使うと、刺激が強すぎて赤みやかゆみなどの肌トラブルを引き起こす恐れがあります。

【子どもの肌に与える影響とは?】

子どもの肌は大人に比べてデリケートです。アンチエイジング化粧品に含まれるレチノールや酸は、肌の新陳代謝を促進しシワを改善する効果がありますが、子どもの肌には刺激が強すぎる可能性があります。つまり、湿疹や接触皮膚炎などを引き起こすリスクがあります。

【法案の内容と背景】

提出された法案では、レチノールなどの特定成分を含むアンチエイジング化粧品を13歳未満の子どもに販売することを禁じています。違反した場合、商品の横に年齢制限を示す表示を設置したり、購入者に身分証の提示を求めたりすることが義務づけられるそうです。こうした動きは、子どもがSNSを通じて大人向け化粧品に触れる機会が増え、安易に使用してしまう状況へ警鐘を鳴らすものと言えます。

【海外の動向と比較】

カリフォルニア州の法案は米国で初めての試みですが、海外では既に同様の規制が行われています。例えばスウェーデンの大手ドラッグストアチェーンでは、今年3月からレチノールなどの配合された高機能な化粧品の販売を15歳未満に制限しました。日本でも、子どもがアンチエイジング化粧品を安易に使わないよう、成分表示を確認する習慣を身につけさせることが大切でしょう。

子どもの肌は、大人の肌よりも外的刺激に弱く、バリア機能が未発達です。アトピー性皮膚炎など、肌トラブルを起こしやすい特徴があります。アンチエイジング化粧品の安易な使用は、肌のバランスを崩し、炎症を引き起こす原因になりかねません。肌の健康を守るためにも、子ども向けの優しい処方の化粧品を選ぶことをおすすめします。

以上、カリフォルニア州のアンチエイジング化粧品規制の動きについてお伝えしました。子どもの肌をいたわり、年齢に合ったスキンケアを心がけることが何より大切です。

参考:

- カリフォルニア州議会 AB-2491 化粧品: 未成年者に対する販売禁止

https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202320240AB2491

- American Academy of Dermatology Association "Is Your Skin Care Regimen Hurting Your Skin?"

https://www.aad.org/public/everyday-care/skin-care-basics/care/skin-care-regimen-hurting-skin

近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授

千葉県出身、1976年生まれ。2003年、信州大学医学部卒業。皮膚科専門医、がん治療認定医、アレルギー専門医。チューリッヒ大学病院皮膚科客員研究員、京都大学医学部特定准教授を経て2021年4月より現職。専門はアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と皮膚悪性腫瘍(主にがん免疫療法)。コラムニストとして日本経済新聞などに寄稿。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版社)、『最新医学で一番正しい アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)、『本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。』(大和出版)がある。熱狂的なB'zファン。

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