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NY金11日:FOMCへの警戒感、原油安で、反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比6.00ドル安

始値 1,110.20ドル

高値 1,111.90ドル

安値 1,097.20ドル

終値 1,103.30ドル

為替相場はドル安に振れたが、原油相場が軟化したことや来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する警戒感を背景に、反落した。

アジアタイムは1,110ドル台前半を中心に揉み合う展開になったが、欧州タイム入りしてから戻り売り圧力が強まり、一気にマイナス圏に沈んでいる。原油相場が軟化したことを受けて、週末に向けて更に買い玉整理を進める動きが優勢になった模様。9月16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ着手に向けての進展が見られることに対する警戒感も強く、一時は1,100ドル台を割り込んだ。ただ、その後は週末を控えての買い戻しが膨らんだこともあり、下げ幅を縮小して引けている。

商品市況全体がじり安の展開になる中、金価格のみを押し上げることは難しくなっている。中国リスクの緩和で8月末の商品市況は急反発したが、結果的には一時的な戻り圧力に留まった可能性が高く、ダウントレンド再開の兆候が増えている。こうした中、なお比価ベースで割高感が残る金相場は売られ易い状況になっている。

一方、FOMCに関しては利上げ着手は見送りとの見方が強いが、今回はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見も行われるため、利上げ着手に前向きな動きが見られることが警戒されている。引き続き利上げ時期の特定は進まないと見られるが、10月利上げの可能性も意識させるような動きがみられれば、売り安心感が強まり易い。

金上場投資信託(ETF)市場からも投機資金の流出傾向が続いており、金価格の戻り売り基調が修正を迫られることはないだろう。1,100ドルの節目割れから、直近安値1,072.30ドルを窺う展開が続く見通し。再び金融市場に混乱が見られれば瞬間的に買い圧力が強まる可能性は残るが、一時的な戻り圧力の有無との視点で十分である。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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