【寝屋川市】香里能楽堂が京阪本線連続立体交差事業による道路拡張工事により客席を半分にして新装お披露目
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寝屋川市にある「香里能楽堂」は、京阪本線連続立体交差事業による道路拡張工事のため、2021年7月末に線路側客席部分の取り壊しが行われました。
![香里能楽堂取り壊し前の最後の姿](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/neyamon/article/00131211/internal_1633701597453.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
これまで長きに渡り、伝統文化の継承の場として愛された香里能楽堂ですが、一旦歴史に幕を閉じ、取り壊した部分の壁面修復工事が行われていました。
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その後、能楽堂の舞台と正面客席3列分を残し、壁面が修復され、2021年10月2日、関係者のみで「香里能楽堂 新装披露会」が開催されました。
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振り返りますと、香里能楽堂は、2021年7月18日の公演を最後に一旦その歴史を閉じましたが、その刻まれた55年の歴史や佇まい、大切な記憶や思い出を後世に伝承するべく、春から2021年7月にかけての香里能楽堂の様子が、2021年7月14日テレビ大阪「やさしいニュース」で紹介されました。
そのような中、去る2021年8月30日には、お隣の枚方市に「枚方市総合文化芸術センター」が開館しました。
寝屋川市から京阪電車で約10分。
途中、香里園駅を過ぎたところで、部分解体中の香里能楽堂が見えていました。
枚方市駅を下りて、関西医大方面に歩いて5分、緑に包まれた空間が広がっています。
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芝生の中の通路から進みエントランスへ向かいます。
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枚方市総合文化芸術センター本館入口です。
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8月30日は、枚方市総合文化芸術センター本館オープンを記念したオープニングセレモニーが行われました。
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記念式典は、第1部が式辞や祝辞、枚方出身のフォークデュオ「TANEBI」の歌、第2部として、寝屋川市出身の辰巳満次郎師と野村萬斎師による「翁」が演じられました。
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19時からはこけら落とし公演として、関西医大 大ホールにて、野村萬斎による「末廣かり」と枚方市文化芸術アドバイザーの辰巳満次郎による「船弁慶」が催されました。
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即日完売となったこけら落とし公演は、満席でしたが、皆さんマスク着用で静かに着席されていました。
開館のこけら落とし公演にふさわしい勇壮な舞台でした。
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辰巳満次郎師は、現在枚方市文化芸術アドバイザーを勤めておられますが、55年前、香里能楽堂の建設とともに寝屋川市に住み、寝屋川市で少年時代を過ごされています。
詳しくは辰巳満次郎プロフィールをご覧ください。
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またこの日の杮落し公演「船弁慶」の義経(子方)は寝屋川市の小学校に通う辰巳紫央莉さんが見事に演じました。
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この関西医大 大ホールは音楽・演劇などの文化芸術公演をはじめ、集会など多目的に使用可能な高機能ホールです。
中ホール規模の利用ニーズに対応できるよう、 1 階席( 836 席)のみの利用にも対応できるとのこと。
また、小さなお子様連れの方が気兼ねせず鑑賞できる多目的ルーム(親子室)を客席 2階の後部に設けています。
1,468 席(1階席:836 席、2階席:392 席、3階席:240 席) 車いす用8 席含む。
その他、多目的ルーム(親子室)1 室あり。
※車いす用は中央の固定席を取り外すことで最大12席の追加が可能。
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豊かな音響と遮音性にも優れたホールの側面の壁です。
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今回は舞台上に能舞台が組まれ、柱は観客から見えにくいとの配慮で短く切られていて、通常能楽堂にある屋根はついていませんでした。
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関西医大 大ホールは、豊かな響きと遮音性にも優れたホールであるため、本来、屋根による反響板として必要な屋根がなくても大丈夫ということでした。
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ホールの外もラグジュアリーな空間となっています。
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お祝いの花も沢山届いていました。
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中庭にも植栽が美しく施され、ゆったりとした空間となっています。
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2階から1階のロビーを見下ろすとこんな感じです。
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こちらのひらしんイベントホールは移動式舞台になっていて、小規模演劇やミニコンサート、講演会などに利用可能な平床の多目的ホール。
専用の搬入スペース、控室、パントリーを備え、飲食を伴うレセプション、パーティに対応。後方の可動壁を全開すると、エントランスロビーとの一体的な利用も可能なのだそうです。
ホール形式:200 席程度、スクール形式:120 席程度 パーティ形式:120席程度
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内部の様子やドローン映像はこちらの動画からご覧いただけます。
枚方市総合文化芸術センター本館には、関西医大 大ホール、小ホール、ひらしんイベントホール、ひらしん美術ギャラリーがあり、ギャラリーで開館記念企画として開催中の「枚方の美術家展」は無料で入場できます。
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今後も様々なジャンルの開館記念公演が企画されています。
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Cafe H-Artsも同時にオープンしています。
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ロコモコやラップサンドなど、お洒落なメニューです。
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緑豊かな広場を臨むカフェとなっています。
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お隣の枚方市の施設ですが、寝屋川市民にとっても大変利用しやすい立地のホールです。
枚方市、寝屋川市に留まらず、京阪神地区の文化芸術を発信する拠点としてこれから重要な役割を果たしていく施設となりそうです。
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一方、香里能楽堂は客席が半減したため、これまで行ってきた七宝会普及公演は、2021年11月22日に、狂言師野村萬斎を迎えてアルカスホールにて公演が行われます。
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その後は枚方市総合文化芸術センターなどでの公演が予定されています。
![正面客席が3列のみとなった香里能楽堂](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/neyamon/article/00131211/internal_1633703484152.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
香里能楽堂のシンボルだった、正面のタイル細工の能楽師はどうなったのでしょう。
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やはり保存されていました。
このように新しくなった能楽堂の入口の内壁にタイル絵として再現されていました。
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お披露目会の最後には副理事長の辰巳満次郎氏より挨拶があり、今後の能楽堂の活用についてのお話がありました。
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これまで、能楽堂として使われてきましたが、今後は落語会に利用したり、琴の演奏会などにも活用していきたいとのことでした。
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能の舞台の四隅にある柱には、それぞれ名前があります。
正面の観客席から見て、右奥から時計回りに「笛柱」「ワキ柱(大臣柱)」「目付柱(角柱:すみばしら)」「シテ柱」と呼ぶそうです。
中でも左手前の「目付柱」は、観客席からすれば、舞台を遮る存在です。
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この角にある柱には、観客に舞台への意識の集中を働きかけつつ、舞台上から四方へ開けていく世界の広がりを強く印象づける意味があると言われていますが、香里能楽堂では、この目付柱は、取り外しができるようになっています。
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これまで取り外して使われることはほとんどなかったそうですが、今後は取り外すことによって、落語会などにも幅広く使うことができるようになります。
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また今回の新装で、お茶室を竹の間としてリニューアルされています。
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最後に能楽師辰巳孝弥さんにお話をお伺いしたところ、「客席数は半減しましたが、伝統芸能の舞台も時代に即した利用の仕方を模索し、地域の学校にも普及活動を行い、より多くの人に香里能楽堂を知ってもらいたい」ということでした。
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お稽古や100人程度(全125席あり)の観客数での催しなら、開催可能です。
まだ数年間は新装されたこの形で能楽堂を使っていくことができるようです。
寝屋川市にある能楽堂としてこれからもその変遷をお伝えしていきたいと思います。
【施設情報】
公益財団法人 友愛会 香里能楽堂
〒572-0082 大阪府寝屋川市香里本通町1−5
電話: 072-831-0415